ゴベリンドン 公演情報 おぼんろ「ゴベリンドン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    愛しています。
    23日マチネ、初見の感想。二段目上手端の席。対角向きに座ると劇場全体が見渡せ、中央部も少し上からのぞき込む形で初見には絶好のポジション。
    【はじめに物語ありき】
    せつなすぎて心が痛い物語。もうすっかりお馴染みになったこの感覚。それあってこそのおぼんろの物語。せつなさの素は「愛」。この世界観が好き。
    【予習】
    おぼんろとしては初の戯曲を読んでからの参加。それ故に読んだ時の感想と比較しながらになるのかしら?元来あれこれ、例えば「こういう理不尽さってあるよなぁ」とか考えながら観てしまう方。が、ふと気づくと無心。言葉と目の前の景色だけをストレートに受け止めていた。この吸引力は語り部たちの物語力に他ならない。引き込まれ、終始うるうる。胸が熱く苦しい。
    【「愛」】
    一番感情移入するのはゴベリンドン。悲しい怪物だ。しかし彼に限らず、登場人物たちそれぞれの喜び、悲しみ、怒り、憎しみ、願い・・・それらの起結はすべて「愛」による。誰の心の中にも一輪の花がある。もし咲いていないなら、それはまだ種の状態なんだ。
    【空間】
    広い劇場も走り回れば狭く感じる。対角の一番遠い場所での動きのないシーンも感情を揺さぶられれば近くなる。が、ふと気づいた。対角付近で演じられた淡々としたシーン、これはアブナイと思った。その日の私にはギリギリ許容範囲だったが、積極的に物語の世界に入り込もうという意志のない人には退屈に感じるのではないか?私でも体調悪い時だとアブナイぞ、と。実際友人の隣の人は寝ていたらしい。
    これが満席なら感情の伝播が働くかもしれない。が、この規模でやるためには客の入りに左右される様じゃダメなんじゃないか?
    更なる奇跡のためにはフラリと訪れた人の心をガッチリ掴んで離さないことが必須。もうひと工夫必要な気がした。

    とっても大好きな世界に浸ることができて幸せでした。
    が、まだ伸びシロはあるはず。
    だから今回は最高点はつけません。次回に期待しています。

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    2015/05/24 19:53

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