『ひとよ』★【横浜公演】6月6日・7日KAAT大スタジオ!★ 公演情報 KAKUTA「『ひとよ』★【横浜公演】6月6日・7日KAAT大スタジオ!★」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    笑いと涙は両立出来るのか?⇒KAKUTAの回答「出来る!」
    (タイトルがネタバレだったらすいません)
    舞台セットはなんとも生活感の感じられる謎の事務所、
    タクシーの配車センター(事務所)でした
    (これは開演前に分かります)。

    そこでの「一夜(ひとよ)」、いったい何が起こるのか?

    開演前の暇なひととき、色々と想像してみたのですが、
    開演早々からその後の展開まで、
    自分の想像力のはるか上を行く物語が
    狭い事務所を中心に繰り広げられました。

    役者の軽妙なやりとりに「今回のKAKUTAは喜劇なのか?」
    と思わせておいて、
    練られた脚本は確実に胸に突き刺さっていく、
    (^▽^*)と(´;ω;`)が共存し続けた、
    舞台観客として幸せな2時間でした。

    ネタバレBOX

    あらすじ全部書くのもアレなので

    ・ かーちゃんは子供達を守る為に亭主を轢き殺し

    ・ しかし「殺人者の子供達」のレッテルを貼られた兄弟たちが
      幸せになれるほど優しい世界でもない訳で

    ・ そして15年が経ち

    ・ かーちゃんの友達だった女性は、亭主に死なれ
      痴呆の義母の毎日のイビリに耐え切れず殺人を犯し

    ・ シャブ中で家族に逃げられた元ヤクザは、
      10数年ぶりの息子からの連絡に喜び
      仕送りの為に運び屋に手を染めて

    ・ ジョニーデップが語る「ターニングポイント」は、
      それぞれが経験したただの「一夜(ひとよ)」の出来事だった

    ・ 子供達が自分の不幸を受け入れ笑う時、
      かーちゃんは自分の行為が「本当に正しかったのか?」と
      思い返して涙する

    ・ 笑いは絶えないのに、みんながみんな不幸を抱えたタクシー会社でのひととき

    ただ「幸せ」になりたくて行った行為が「不条理」な結果を生み出して、
    それでも人々はたくましくもそれにあらがって生きていく、

    桑原脚本/KAKUTAワールドは今回も健在でしたヽ(´ー`)ノ


    今日は雪山さんのトークショーがあったのですが、
    メインのお芝居を笑いと涙で本当に堪能できたからこそ、
    「マスクのお兄ちゃん」はキャストトークも非常に楽しめました。

    ああ、幸せな時間だなあ( ´ー`)


    PS.実際の所、冒頭でかーちゃんがあっけらかんと
      「父ちゃんを轢き殺してきた」と独白するシーンから
      既に自分の妄想力全開で涙がボロボロ出ていました。
      
      自分は「KAKUTA演劇を神格化してしまっているのか?」とも思いましたが、
      あの舞台上でのそれぞれ怪我をおっていた無言の兄弟達、
      そして現れたかーちゃんのあっけらかんとした
      独白から「今後」についての話からが、
      既に涙なしではいられない「不条理」な背景世界として
      自分の感じる心に刺さってたんですね。

      そこからいきなり15年ふっとんで、
      喜劇としてリスタートした時は驚きました、

      脚本/演出が「匠(たくみ)」だなあ( ´ー`)

    PS2.2015/05/24(日)追記
      意図的なものだったか分かりませんが、
      ヤクザの子分の登場の仕方が「もしかして殺したはずの亭主?」とか
      タクシー運転手(ヤクザ兄貴)の電話が「裏で何か悪い事が動いている?」とか
      色々と観客の想像力を刺激して、ミスリードさせてくれたのも楽しかったです。
      (色々な方向性を想像するからこそ、事実が明かされた時
      「なるほどっ!」と驚くので)

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    2015/05/23 22:35

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