こちら図書館第二資料室 公演情報 劇団愉快犯「こちら図書館第二資料室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    秀逸のオリジナルタイムトラベル物!
    オリジナル脚本で、笑いあり、ドタバタあり、それでいてしっかりとしたタイムトラベルを扱った、本当に良くできた秀逸の内容。
    面白かったです。

    誰にも知られたくない、仕事をしたくない、図書館第二資料室でコタツにくるまっている本田さんがヒョウヒョウとしていてよかったです。

    この本田さんを軸に、調べ物をしにやってくるおかしな人々。
    そんな何の関係もない筈の人達が、最後しっかりと繋がり、ご納得のチャンチャンという感じの落ち!

    登場しない第一資料室の猫田さんの描き方も良かったです。
    本当に面白かったです。

    追伸、桂や宇治はよく伺うのですが、メインの吉田キャンパスは今回初訪問。
    木造の吉田寮、良かったです。
    初の京大の演劇サークルさんでしたが、面白かったので、遠方ですが、また観に伺いたいです。

    当日、立命)西一風さん、関学)Somethingさん、近大)游ぐたらこマッチョさんの方も伺いたかったのですが…、予定が合わず残念。
    次の機会は伺いたいです。

    ネタバレBOX

    大学図書館の奥、本棚の本を並べ替えると、扉が開き、入ることが許される大学図書館第二資料室。
    その先にも様々なトラップが仕掛けられ、人の侵入を拒み続ける第二資料室。
    それは、仕事をしたくないという一心から、第二資料室の図書館員の本田さんが仕掛けたトラップだった。
    そんなトラップを抜けてでも調べ物の本を探したいという人が訪れる第二資料室。
    そこには「不死鳥の飼い方」や「霊力の高め方」などレアな本が多数、片づけられることなく山積みされていた。

    今日訪れたのは、タイムトラベル研究会に所属する医学部の森林さん。
    階段から落ちたり、自動車を高速に加速させたり、タイムトラベルの実現に向け、日夜、生死ギリギリの努力を重ねていた。
    そんな森林さんがお探しなのは、当然、タイムトラベルの仕方。
    そんな本は無いと諦めていたが、本田さんが「タイムトラベルの仕方」本を見つける。
    狂喜する森林さんだが、しかし大事な仕方の箇所が落丁しており、本も絶版。
    森林さんは落胆して帰っていく。

    別の日、知る人しか知らない第二資料室に、記者の取材が…。
    (それは第二資料室に仕事をさせようとする第一資料室の猫田さんの策略だった)
    そんな事されては、仕事が増えて困ってしまう本田さんは、取材を固辞する。
    そんな中、記者と一緒に来た筈なのに、記者に無視され続ける影の薄い人が…。
    その人は影が薄いのではなく、実は、記者に取り憑く幽霊だった。
    「霊力の高め方」を読んだ本田さんにしか見えない幽霊。
    この幽霊から、「記者さんはぬいぐるみと一緒でないと眠れない」ネタを入手。
    このネタを口外しないことを条件に、記者に第二資料室の取材を中止してもらう事に成功。

    その記者から「病院の階段から落ちて不審死した患者の取材をしてから、金縛りなどに会うようになった」と相談を受けた本田さん。
    その時死んだ患者さんが今の幽霊さんだった。
    幽霊さんからは「タイムトラベルしようと階段から転がり落ちたら、打ち所が悪く死んでしまった」と告白される本田さん。
    本田さんは図書館のカセットテープライブラリーから、幽霊を成仏させるお経のテープを再生。
    無事に幽霊さんは成仏し、記者さんも元気に。

    これにて一件落着の筈が…、記者は第二資料室の取材を中止したが、本田さんが仕掛けた図書館の様々なトラップを記事にしたため、図書館に長蛇の列が…。
    それを知った猫田さんから、こっ酷く叱られ、渋々、トラップを撤去する本田さん。

    その直後、トラップ見たさに現れた絵本さんは拍子抜け。
    その絵本さんは徳島や阿波踊り関連の本を借りに来たのだが、
    実はダンスが大好きで、タイムトラベル同好会に所属し、実際にタイムトラベルして、日本に踊りを普及させようと活動していた。
    絵本さんたち同好会は、タイムトラベルによって過去の歴史に介入し、ダンスの普及促進を図った事により、阿波踊りや出雲の阿国が歴史に記されるように…。
    「タイムトラベルの仕方」や「不死鳥の飼い方」も同好会の自費出版物だった。
    タイムトラベルは、不死鳥の羽から発する成分でクシャミをすればできるとの事。
    但し、クシャミの際、不死鳥の羽を手放してしまうと、2度と戻ってこれなくなってしまう。

    そして、森林さんたち研究会は、偶然、明治からタイムトラベルしてしまった人たちで、不死鳥の羽を持っていなかったため、元に戻れず、困っていることを知る。
    そう森林さんは、かの有名な医者の森林太郎、後の森鴎外だった、のか?

    その同好会と研究会はタイムトラベルつながりで、お互い意識しあう存在。
    そして絵本さんと森林さんはお互い好意を抱くようになっていた。
    そんな絵本さんによって、森林さんたち同好会は無事に明治に戻ることができたのだが、森林さんは再び平成に戻り、絵本さんに愛を告げる。

    ハッピーエンドと思いきや…。

    そこに、記者さんと幽霊さんが現れる。
    が、幽霊さんは幽霊ではなく、生きていた。
    そう、明治に戻った森林さんが、平成の医学を明治に持ち帰り、飛躍的に医学を進歩させた事で、階段から落ちた幽霊さんも九死に一生を得る事に。

    そんな記者さんと元幽霊さんが、森林さんの持つ不死鳥の羽に興味を持ち、羽を取り上げた拍子にクシャミが…。

    かくして、戻ってこれない行方知らずのタイムトラベルは続くのであった…。
    チャンチャン♪

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    2015/05/18 08:59

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