さよなら、三上くん 公演情報 monophonic orchestra「さよなら、三上くん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    望郷編鑑賞。笑った!感動した!!/約90分
     持ち前の真面目さと強すぎる正義感が災いし、心に深い傷を負ってしまったある人物を主人公とする学園ドラマ。

     お客さんの多くは主人公の身になってこの劇を観、主人公と同じように心をヒリつかせ、最後には主人公と同様、熱い思いに身を貫かれたのではないだろうか?

     なぜなら、人として生きている以上、程度の差はあれ誰しもが真面目であり、その真面目さゆえにバカを見たり、つらい思いをした経験が必ずやあるに違いなく、主人公の抱えるトラウマを他人事とは思えないはずだからだ。

     かく言う私もそうした経験には事欠かず、主人公に自分を重ねて身につまされる思いで本作を鑑賞し、最後には目頭が熱くなるのを抑えきれなかった。


     ただし、感動を与えるだけにとどまらず、感動を妨げないよう周到に配慮しながらコミカルなシーンを随所にちりばめ、ドッカンドッカン笑いを取っているのも本作の凄いところ。
     
     オモシロは単独ではオモシロたりえず、連鎖しないと笑いを生まないが、本作ではオモシロがきちんと打線を成しており、その打線が火を吹いて大量点をさらっている印象。

     作・演出家のコメディー作家としての資質を強く感じた。

     本作の作・演出家はまだそういうものを手がけてはいないはずだが、純コメディーに挑んでも佳作を生み出すのではないだろうか?


     役者では、繊細な演技で主人公を演じた某俳優さんはもとより、元気かつ安定した演技で座を引き締めていた森崎健吾さん、確かな演技でヘンテコ女子になりきっていた今井瑞さんに力を感じた。

    ネタバレBOX

     ある事にブチ切れてヤケを起こした男子生徒がややもすると階段に落ちかねない危険な場所に立ち、他の生徒がハンパなくパニクるシーンには死ぬほど笑いました。
     あのシーンの尋常ならざる騒々しさを演出するのはなかなかに大変だったのではないでしょうか?

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    2015/04/20 04:32

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