期待度♪♪♪♪
横浜へは、自分を想い出しにいこう
ソーントン・ワイルダーは、ピューリッツァ賞を獲ったこともある、アメリカの劇作家。20世紀前半に、地味に活躍した。『わが町』という劇作が代表作だけれど、彼の初期の一幕劇の数々は、本当に面白い! 地味すぎて、本国アメリカでも、ほとんど上演されないので、舞台でみることができるのが嬉しい!
ワイルダーのキャッチコピーは、「第四の壁を壊せ!」。つまり、舞台と客席の間にある壁を打ち壊して、観客に、自分の記憶を「想起」(プラトン大好きの彼は、このプラトン用語をよく使う)させることを目指すもの。だから、観客は、舞台上で演じられる、日常の些細な出来事を観ながら、そこに自分の姿をみせられる。そのために、ワイルダーは、結構いろんな、実験的な仕掛けを使う。当時は、実験的すぎて、劇場やスタッフと、相当もめたほど。
それにしても "The Happy Journey to Trenton and Camden"は、ワイルダーの一幕劇の中でも、地味さにかけては抜群。地味すぎて、細かい話は覚えてないけど、誤意訳の余地のたっぷりある作品。これをどう料理するのか。どうやら、既に何度かやったこともあるようなので、何か掴むところもあるのだろう。横浜は遠いけど、楽しみ。