満足度★★★★★
Ruth初公演:「漢三人芝居」
昨日、板橋にあるサブテレニアンで、ブロ友さんのさらみさん(今西哲也さん)、春川真広さん、大高雄一郎さんの3人からなるユニットRuthの初公演「漢三人芝居」を観て参りました。
ちょうど1年前、いろんな舞台で共演して仲の好かった3人でユニットを組みましたと聞いた時から、3人での舞台を観たいなと思っていました。
劇場を押さえて、企画して、脚本頼んで、きっと初めて尽くしの事が沢山あって、大変だったと思います。
1年で、初公演を形にするだけでも凄いのに、11日間で創り上げたとは思えないほど、舞台としての完成度もとても高くて素晴らしかった。
今日が千穐楽なので、内容にはあまり触れないで、感想だけを書かせて頂きます。
「漢三人芝居」は、4人の脚本家による4本のオムニバスの会話劇。
セットはなく、会話だけで場(情)景や色、空気、心情を描き出し、コミカルからシリアスまで、4人の脚本家の雰囲気も味わいも違う、振り幅の大きい舞台で、観ながら体の中や感情が蠢き、かき混ぜられる素晴らしい舞台。
さらみさん(今西哲也さん)は、主演舞台「積む教室」から11日間しか経っておらず、4冊の台詞を覚え、創り上げて行くのは、どれほど大変だったかと思います。
しかも、4本とも全く雰囲気の違う役で、その全てでその人物そのものとして其処に居る。それは、なかなか出来ないこと。声も仕草も、表情も一瞬にして、全く違う人になり、存在していて素晴らしかった。<br><br> どの人物も好きですが、特に2本目の「LIAR×LIAR×LIAR 」のさらみさんは、今まで観たどの役とも違っていて、凄みを感じ、新しいさらみさんの魅力が出ていてとても素敵でした。
春川真広さんは、さらみさんも大高さんもそうなのですが、やはり、役によって表情を含めた佇まいがガラリと変わって、その人物として、其処に居ることがいつ観ても凄いと思います。
去年1年、それまでとは雰囲気の異なる人物をいろんな舞台で演じてきた真広さんの1年の集大成とも言えるような、シリアスからコミカルまで振り幅の大きな役を、その人物そのものとして目の前に存在していて素晴らしかったです。
大高雄一郎さんは、Twitterやツイキャスでは、お話ししていたのですが、観たいと思いながら仕事や予定と重なり、なかなか舞台を観ることが出来ず、今回初めてお芝居を観ることが出来ました。<br><br> 観た途端に、「凄い!」と思いました。さらみさんも真広さんもそうなのですが、出て来た瞬間に、ポンとそこにその人として何事もなかったかのように、そこに普通にいました。
特に最後の「DREI」のシリアスな大高さんは、繊細に深くその人を目の前に描き出し、佇んでいて本当にかっこ良かった。
最初の「ゴーストのゴースト」で笑い転げ、 2本目の「LIAR×LIAR×LIAR 」でハラハラ、緊迫し、三本目の「ダンディ」で、ニヤニヤ、ケラケラ笑い、最後の「DREI」は、観ながら「生きる」ということについて深く考えさせられ、ギュッと胸に迫り、涙がぽろぽろ溢れてしまいました。
人生、笑って、泣いての繰返し。それは生きることでもある。そう考えて、こじつけるなら、この4本は「生きる」ということが共通したテーマとも言えそうです。
生きる上で味わう感情と五感の全てがギュッと凝縮されたような、密度の濃い贅沢な1時間30分でした。
笑いと涙、シリアスとコミカル、緊張と緩和、感動、いろんな色、いろんな感情が蠢き、混ざり合い、揺さぶられる素晴らしい舞台でした。
文:麻美 雪