妄想家の弟子 公演情報 劇団ガクブチ「妄想家の弟子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    現代的な描写が…
    秀逸である。特に芝居としての構成は面白かった。
    しかし、そのモチーフの捉え方に一抹の不安を感じた。

    それは自分のなかで、現代的ゆえに思うことであるが、一方その表現手段は見事であるという矛盾が…。

    ネタバレBOX

    まず、一抹の不安は偶像崇拝(宗教的意味合いは別)…現代的にはインターネットで実体がない世界で人生相談をするということ。相手がどんな人物かわからず、自分自身をさらけ出すという怖さ。
    悩み事の解決者としてネット上では有名な”マリア”...いつしかその正体が気になり探り当てるため、過去ログを覗く利用者たち。さらにはIPアドレスまで特定する…個人情報の流出に繋がる暴走をした。
    その結末は意外である。舞台上では顔を合わせ直接話をしているが、本当は通信手段を利用した虚構の世界であることを忘れてしまう。
    マリアは存在せず、悩み事に応じて利用者(元相談者)が回答していた...結果として集団方式でサイトを維持していたことになる。

    さて、危惧しているのは、架空の人物像を創り出し神格化することである。本公演では、その方向を肯定したような終わり方であったと思う。
    芝居の観せ方としてはありえるかもしれないが、自分は架空の人物または死人による求心力を保つことに疑問を持つ。強権確立の手段に利用しかねないと思うからだが...。

    今後の公演も楽しみにしております。

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    2015/03/16 00:43

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