蒲団と達磨 公演情報 サンプル「蒲団と達磨」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ネタばれ
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    ネタバレBOX

    サンプルの【蒲団と達磨】を観劇。

    岩松了が1989年に岸田戯曲賞を取った作品。

    ちょうどその頃の小劇場界では、夢の遊眠社、第三舞台、第3エロチカ、劇団3〇〇などが演劇界を席巻していた頃で、何故この戯曲が賞を?と思ったいた人もいたようで、その当時は大して注目されなかったようだ。
    そして今の演劇界の潮流である現代口語演劇の走りを作ったのが平田オリザではなく、実は岩松了だったのではないかとも言われている。
    その証拠に6年後に平田オリザが【東京ノート】で岸田戯曲賞を取っている。
    そして初演は東京乾電池で、主演は柄本明。

    娘の結婚式を終えた夫婦が寝室で一息ついているところに兄弟、友人、関係者などが一同に集まっている。
    その場で何かが起こるでもなく、ただお互いのどうでも良い思いが交差している。その交わり方が最初はありきたりの世間話しから、少しずつ崩れて行くのだが、それは自分の普段に抱えている問題でもあり、全く関係ない問題もありと、その交差の仕方が条理と不条理を超える境界線を行き来している辺りを会話劇で攻めてくるところが面白く、リアルでもない世界観?錯覚してしまう面白さがある。まさにこれは別役実と同等の不条理演劇か?と錯覚してしまう節さえ感じられる。
    特に古館寛治扮する父親像のキャラクターが、その世界観を率先して構築しているようで興味深い。
    初演に比べると今作の方が、ベストなキャスティングで、演劇界も今作を受けいる土壌が出来ているので、良作だと思われる。
    がしかし、この手の手法は、今や平田オリザの教え子たちが縦横無尽に演技界を荒らし回っているので、個人的には目新しいとは思えない?
    と言うのが、今作の感想だ。

    でも、かなりの傑作である。

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    2015/03/08 12:59

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