紙風船文様5 公演情報 カトリ企画UR「紙風船文様5」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    戯曲の世界そのもの
    舞台を見たときに、何が起こるか想像すら出来ませんでしたが、そこに現出したものは見事に昇華した岸田戯曲の世界でした

    ネタバレBOX

    最初は、「紙風船文様」に何ゆえに西洋便器が登場するのかと思ったのですが、そこから手が抜けないという妻の態度が、次第に戯曲に描かれた倦怠とゆるやかな閉塞感と諦観へと折りあがっていくことに驚愕。

    最初の態からの物語の解き方もじつにしたたかで、その構図を妻と夫が共通認識していることや、それでもその時間をすごしていく質感が鮮やかに伝わってくる。

    舞台を立て直す黒子の存在がおかしいのですが、それとて、夫婦がその関係から踏み出しえないことの暗喩にも思えて。

    そのシチュエーションを貫きつつ物語を編み上げた役者達の力量にも改めて目を瞠り、なにより演出の創意に圧倒されたことでした。

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    2015/01/06 18:15

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