モンティ・パイソンのSPAMALOT 公演情報 avex live creative「モンティ・パイソンのSPAMALOT」の観たい!クチコミとコメント

  • 期待度♪♪♪♪♪

    伝説の聖杯
     コアなモンティ・パイソンのファンは「日本版」と聞いて、鼻白むかもしれない。元になった映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』は、カルトと言っては失礼なくらい、イギリス製コメディ映画の金字塔として屹立している。
     もっとも、アーサー王伝説を不謹慎を通り越してデタラメなくらいにパロディしまくったその傍若無人なバカバカしさは、公開当時の日本人には今一つピンと来なかったようで、ヒットしたという記録はない。しかし、その炸裂するエネルギーは、時代を経て、いとうせいこう、松尾貴史、宮沢章夫ら熱烈なパイソンファンを生み出してきた。
     本作の日本版演出を手掛ける福田雄一もその一人だ。そう、あの『勇者ヨシヒコ』シリーズの、『アオイホノオ』の、『HK 変態仮面』の福田雄一だ。演劇畑では本作の初演を経て、『The 39Steps』ではヒッチコックのサスペンスミステリーを軽妙かつ目まぐるしいほどのスピーディーなコメディに仕立てあげてみせた。たとえ日本語版であろうと(いや、日本語版であるからこそ)、ただの「引き写し」はしないに決まっている。
     映画版のグレアム・チャップマン(あるいは舞台版のティム・カリーの)役をユースケ・サンタマリアがやるの? と首を捻る方もいらっしゃるだろうが、何しろあの超大根演技の指原莉乃を起用して『ミューズの鏡』や『薔薇色のブー子』という傑作を作ってしまった福田監督なのだ。不安材料は全て逆転して期待に返還される。脇を固めるマギーやムロツヨシ、皆川猿時、池田成志ら「福田組」の面々も決して期待を裏切らないだろう。スチールであからさまにジョン・クリーズの顔マネをしている池田君が可笑しい。
     初演は福岡までは来なかったので、今回が初見になる。個人的には、初演とキャストが変更されたヒロインの平野綾に注目したい。『レ・ミゼラブル』『モーツァルト』を経て、安心して観られる「ミュージカル女優」に成長している。コメディエンヌとしての技量が更に上乗せされるかどうかが見所だ。

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    2014/12/31 11:16

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