가모메 カルメギ 公演情報 東京デスロック「가모메 カルメギ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    共作の理想的な在り方!
    素晴らしい日韓共作の在り方。その良さが作品の質にも現れている。
    またソン・ギウン、多田淳之介両氏の個の共作という意味でも絶妙の作品だった。
    コラボレーションとか、〇〇合作、〇〇共作という作品は多々あれど、その試みの意義がこれほどまでに有効に機能している作品を私は他に見たことがない。

    素晴らしかった。

    ネタバレBOX

    日本の背景をもった多田淳之介氏と東京デスロックの俳優陣。
    韓国の背景をもったソン・ギウン氏と第12言語演劇スタジオの俳優陣。
    それぞれの歴史が見事に舞台上で交錯する。

    舞台は1930年代日本占領下の朝鮮。
    そこで繰り広げられる人間模様をチェーホフの『かもめ』と重ねて描いている。

    ソン・ギウン氏の完璧に構成された脚本を、多田淳之介氏が絶妙に異化していく。脚本が完璧なだけに、そのズレが極めて効果的に作用している。一歩間違えたら陳腐になりかねない演出なのだが、舞台を支配する緊張感がそれを絶妙の間に変えていた。
    そして何より出色なのは、日本語と韓国語が入り乱れる構造。実際の当時の朝鮮の状況を舞台上で再構築させたものでもあるのだが、それが皇民化政策の結果でもあるため妙な現実感がありつつ、同時に舞台特有の異質感もあり、異様な時空間を作り出していた。そしてそれが現代への強い批評にもなっている。

    基本的には韓国人役は韓国人が演じ、日本人役は日本人が演じている。ただし、一人だけ日本人女性が朝鮮人の少年を演じていて、この微妙なズラしも非常に効果的にその意味(問い)を開かれたものとしていた。

    ラストシーンで、時代は現在までの経過を辿る。
    そう、この問題は現在にまで続いているのだ。

    日韓関係が悪くなっている昨今、このような共同制作の作品ができる意義は大きい。それも、やったことに意味があるというレベルではなく、作品の強度として共作の意義が十二分にある作品となっているということが本当に素晴らしい。

    追記:
    〇音楽が部分的に過剰に鳴り響く感じ(音割れギリギリの感じ)が妙に舞台の不穏さを強調していて良かった。
    〇役者さんたちは皆個性的で演技力もあって素晴らしかった。中心の人たちが素晴らしいのは言うまでもないのだが、地味な役:イ・エギョン(オ・ミンジョンさん)といさ子(佐山和泉さん)の存在が妙に気になった。この2人の存在が、物語内の役割としても演技としても、作品に深みを与えていたような気がする。

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    2014/11/30 23:00

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