トーキョー・スラム・エンジェルス 公演情報 Théâtre des Annales「トーキョー・スラム・エンジェルス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    テキストが秀逸
    テキストが秀逸。表裏一体呼応する2つのストーリー。貨幣経済と資本主義に対する鋭い洞察と理解を驚くほどシンプルに表現してみせる谷賢一という才能。全編通して彼の美意識が貫かれている。兎に角格好イイ。

    ネタバレBOX

    牛乳瓶のフタのストーリーは凄い完成度。与信とインフレを小学生の世界に再現し、もう少し余裕があれば、信用取引やレバレッジまでも盛り込もうとしていたというのに吃驚。デリバティブ取引まで観たかった。

    一番の刺さりどころは仕事に対する考え方の表現。「堕落」しないのは「物差し」が在るから。オガタは「私には辞めないことに意味が在る」と言い、ヤマネは「続ける事が俺には戦いだ」と言う。これは泣いた。

    力量の高い俳優陣の中で古河耕史、井上裕朗の一人二役の乖離の凄まじさが印象的。バックボーンが非常に近いのに何処かで進む道が分かれてしまった二人のコントラスト。一度拡がった格差は縮まらない。

    そして一色洋平、稽古の段階から相当「可愛がられていた」様子が目に浮かぶ。心身共に制御能力の高い彼が制御しない演技を求められていたのか。相当に苦しんだのだろう。結果、明らかに今迄と違う。いい意味で。

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    2014/11/30 22:34

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