橋を渡ったら泣け 公演情報 劇団CANプロ「橋を渡ったら泣け」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    厄介な自分心理
    極限状態に置かれた人間の心理。状況設定はよくあるが、面白く描いていた。
    説明文から小松左京の小説「日本沈没」を想像した。本公演も時代背景やラストのセリフはそれを彷彿させるようであった。

    ネタバレBOX

    さて「日本沈没」は小説、映画ともに読み、そして観た。書き下ろされた1973年は、高度成長期が終焉を迎え、インフレーション、オイルショックなど社会不安が背景としてあった。翻って現在は、東日本大震災以降の地震・火山噴火・大型台風等の自然災害、そして経済の閉塞感が漂う。多少こじつけかもしれないが、共通して言えるのは、「日本人が国を失い放浪の民族になったらどうなるのか」をテーマに据えた点であろう。
    今作品も状況設定は同じようであるが、一人間の行動心理、集団心理という内面を掘り下げたところに面白さがあった。
    特に、登場人物の性格・立場をそれぞれの視点で捉えているから、ミニマムの社会性が上手く表現できていた(とにかくリーダーになりたい、逆に無責任な追随主義者など)。
    この公演は極限状態における人間を通して、醜さ、浅ましさという暗部を描きつつ、最後にはそれを乗り越え未来を見た、ところに救いというか安心感を覚えた。自分としては、少し予定調和なような印象が残ったのが残念であったが…。

    今後の公演も楽しみにしております。

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    2014/11/24 21:37

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