熱海の果てに 公演情報 非シス人-Narcissist-「熱海の果てに」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    楽しい時間をありがとう
    つか作品は、弱者への限りない共感。オマ~ジュとして、感動できる。痛感な警察での取り調べは、社会でのトラブルも重なる。下手な芝居は、やめろ! つかの演劇ですかっとすればいい。いじめ、暴力は演劇の中でやって下さい。楽しめる、迫力満点の演技だった。

    PS.

    演劇というのは,何なのだろうか?そういうところから,私の観劇の旅は,出発した。今のところ,私には,論理の演劇が一番だと思う。演劇・ミュージカル,それは,究極には論理の世界だと思う。背景には,キリスト教という神話,言葉の世界がある。日本化したが,どのような演劇にも論理が貫いている。そこから離れて,東洋的禅の世界になって,直観に飛び込むのは,演劇をわかりにくくするだけだ。

    日本で,つかこうへい系の作品が人気あるのは意味がある。つか作品は,いろいろな点で,西洋演劇の枠からびっくりするほど飛び出しているが,それでも,どこか一般大衆にはわかるところで上手くとどまっているからだ。

    今回の,『熱海の果てに』はとても面白かったと思う。スローモーションで,会場の中を役者が少しずつ動き出すのは,どこかでも体験した。少しずつ舞台準備ができていく。中でも,驚きのシーンは,SM女優的な宙吊りを自演している場面が右側でくっきりと浮かぶ。異常な世界を暗示する・・・

    熱海で起きた事件とは何か?その背景には,故郷を捨てて,都会で身を落とした女との再会がある。彼女は,田舎相撲で,唯一自分を応援してくれた幼馴染みだ。しかし,男は逃亡の果てに,その娘と再会するが,彼女がその時の気持ちまで忘れて落ちぶれていた事実は容認できなかったのだ。

    つか作品には,いつも底辺でボロボロに生きる人間の苦悩がにじむ。そのような人間ではあるが,そこに暖かいまなざしがある。救いがどこかにある・・・と信じる。もちろん,あまりにも悪い状況の中で,普通に逃げ場などない。しかし,生きるにも値しない人間たちにも,言い分はあるし,ほんの少しの「救い」はあるのだから。

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    2014/11/22 21:23

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