二兎社公演39「鷗外の怪談」 公演情報 一般財団法人ちりゅう芸術創造協会「二兎社公演39「鷗外の怪談」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    二律背反の男
     「高級将校(しかも軍医の最高位)」 と 「いささか反体制的な視点まで持ち合わす文学者」・・・という極端な二面性が内在する森鷗外。その両極端の共存を許し、しかもその存在を両社会に許されるという・・・ その絶妙なバランスは、決して強い人間故成しえたのではなく、むしろ臆病で弱く、人間臭い、小心者だったからこその業だったと感じました。
     母と妻、反体制の編集者と体制派の旧友、常に対立する人間関係に挟まれながら立ち回り、その双方から愛される・・・ 全てのシチュエーションが彼の二面性を象徴していました。
     これといって斬新な展開があるわけではありませんが、心理描写を緻密に魅せる脚本・演出、それを支える上質な演技をたっぷり味あわせてもらいました。

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    2014/11/07 23:06

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