星月夜 公演情報 兎団「星月夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    遠くへ行こう、と言われても。
    開始時間を勘違いし、遅れて入場。不調法致しました。

     原作の『銀河鉄道の夜』を読んだ事は無いが、以前の公演が原作に概ね忠実だったとすれば、今回の公演はかなり変化していた。

    各々の人物が自分が乗車している理由を順次語って行く進行次第は同じだが、
    説明にある様に乗客は様々。

    ネタバレBOX

    学生の集団が友人の亡骸を食べず、議論百出の上で餓死する。
    現実にこんな状況に追い込まれたらどうかは分からないが、「友人」の亡骸を食べてまで生きるのは「誇り高くない」として餓死するのは、間違いなく気高い行為のはずだ。人類の希望の灯とも言えるだろう。
     通常、人が集まれば必ず心理学でいう所の「増強効果」が発生する。そこにもし“自己保存本能”が存在すれば、集まる事でそれは更に高まるのに、彼等は自らの死を前にしてなお、それを拒み得た。「憎悪と恐怖よりは破滅の方がまし」というニーチェの言葉を彼等は実践したのだ。

     所で、結構変化が多いから、今回は生者も一緒に死ぬかと思っていたのだが、そこは覆らなかったようだ。
     心に大きな傷(他者からの人間性の否定)を受けても尚、我々は生きなければならないのだろうか?
    「生死を共にする」という言葉があり、死ぬ事で救い、或いは平穏が訪れるなら、それもまた一つの生き方ではなかろうか。天寿を全うする事だけが生きると言う事じゃないはずだ。

    ・・・という、この死生観には同意できないという感想でした。以上です。

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    2014/10/25 17:47

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