満足度★★
振付における形式性
日本大学芸術学部演劇学科洋舞コース3年生14人の短編の上演で、色々なタイプの作品があって楽しかったです。
ロンドかカノンの形式を用いて作品を構成する課題とのことでしたが、その形式性を中心にした作品は無くて、他のテーマを表現する要素の一部としてその形式を用いていました。どちらの形式を用いているのか分からないものも多かったです。
カノン形式に関しては同じ振付をずらして踊るだけのことが多く、フレーズの途中でそのフレーズの冒頭が重なってくることによって生じるハーモニーというカノン形式特有の面白さを表現している作品がほとんどありませんでした。
個人的には形式性を活かしたムーブメントやシーンの構成的な面白さを感じさせる作品を観たかったです。
作品としては伊藤優布子さんの『ZZZ』、細川雷太さんの『Black & White』、安岡あこさんの『壁』が印象に残りました。
自作を作りつつ、他の人の作品にも出演していて時間が限られていたとは思いますが、次々に異なるスタイルで踊る能力と体力に若さと可能性を感じました。