わが父、ジャコメッティ 公演情報 悪魔のしるし「わが父、ジャコメッティ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    ドキュメンタリーとフィクション
    ドキュメンタリーのフィクション化とフィクションのドキュメンタリー化が折り重なる不思議な雰囲気の作品でした。

    ジャコメッティについて書いた矢内原伊作の日記と、同じくパリ在住中に書かれた木口敬三さん(危口統之さんの父親)の日記によるエピソードと出演者自身についての話がごちゃ混ぜに展開し、芸術における「完成」とは何かという問いが、演じている感じの無い、素の状態(に見える演技?)の緩い雰囲気の中で描かれていました。
    親子でたどたどしくピアノ連弾をするシーンや、絵を描いている内に道具やキャンバスが撤去されて何も無い空間に向かって手を動かし続けるシーンが美しくて印象的でした。
    コンセプトや雰囲気は興味深かったものの、全般的にあまり掘り下げられずに淡々と進む印象があり、少々物足りなさを感じました。

    お手伝い役の大谷ひかるさんも自身としての台詞がほとんどで、冒頭に予告していた通りミュージカル調に踊り歌うシーンがあり、父・息子の関係に対しての異物としてチャーミングな存在感を放っていました。

    英語・日本語のテロップが手作業のスライドで映し出されていて、味わいがありました。

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    2014/10/14 15:06

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