きらめく星座 公演情報 こまつ座「きらめく星座」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    観劇日振替鑑賞
    出演している役者陣に惹かれチケット取るも、観劇当日休演発表、別日振替にて観劇。
    初演から30年、何度となく上演されている戯曲だけど、個人的に今作は初見。
    オデオン堂のお茶の間を舞台に、前半はささやかな日常生活に程よく笑い、後半の日捲りカレンダーの日付と共にオデオン堂に関わる人達の行く末に哀しさに泣けてきそうになった。
    チラシ絵のマスク姿で登場した時、怒りと怖さと今後の警鐘の印象もあり最後には緊張もしたが、総じて良い舞台だった。

    夏公演の「てんぷくトリオ」の舞台を見ていたせいか、一幕の場面事の終わりにはつい「ジャンジャン♪」とSE聞こえてきそうで、転換事に暗転オチをつける手法は井上作品だな、とふと思ったり。
    公演プログラムの終頁に、次号から井上都さんのエッセイ告知あり。掲載の継続を期待している。(あと、チケット代もう少し値下げして‥)

    ネタバレBOX

    傷痍軍人の妻となる娘のみさを、非国民の家族から美談の家族の一因となるし、その娘を娶る軍人の高杉、時代的な背景もあるがあまりにもすんなり受け入れ、家庭を厳しく律しつつも脱走兵の長男のペースに呑まれ、いつの間にかその行動を認める事に。その葛藤もあったと思うがその後の心境を吐露する場面にはつい同情したくなる。
    信吉さんや広告屋さんの懐の大きさ、父性としての器の大きさというのか。

    代役登板の峰崎亮介さん、脱走兵ながら剽軽さや家族思いの真面目さがいい感じに見られ、他舞台だと強烈イメージ菜津子さんもここでは抑制みせながらも底抜けの朗らかさ、軍人として時勢の流れを複雑に感じた表情の山西さん等々、全員、歌上手いし面白可笑しく、切なく悲しく。
    下宿人でピアノを奏でる後藤さんも、飼い猫のような和み的存在感。

    今回の舞台では秋山さんと深谷さんの婦人部によるキビキビしたバケツ体操に、昭和の流行歌、昨年のあまちゃんでも歌われた宮沢賢治の「星めぐりの歌」も聴かれストリートプレイとはまた違う音楽劇。
    歌い継がれる流行歌の素晴らしさ、あーだこーだと言える世の中はまだ良い時代なんだろう、と思った次第。

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    2014/09/28 15:06

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