yとxの事情 公演情報 チーム夜営「yとxの事情」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    かなり奇妙なラブストーリー
    数学でいう、横軸の役割を果たす「x」と、縦軸の役割を果たす
    「y」とがお互いを捜し求めて、中学から高校の教科書の世界を
    さまようという物語。一種の擬人化譚ともいえるかもしれないです。
    個人的には、終盤までの展開は詰め込みすぎて、観客を振り回し
    過ぎな気がしたので、さくっと削ってもよかったかもしれないです。

    ネタバレBOX

    この作品、脇役の「点A」「点B」「点P」がすごくいい味を出して
    いますね。問いにしたがって、答えを出すために、何週も何週も
    その場を走らされている点Pが、「神様に手紙出すわ。もう走るの
    止めさせて下さいって!」と陳情の手紙を書くところとか秀逸。

    人間にも苦労があるけど、確かに数式の世界にもこっちが分からない
    苦労があるのかもな、って思わされました。この作品、ところどころに
    そういった面白い着眼点が活きています。

    それだけに、後半に差し掛かるにつれて、メタ的な要素が入り込んで
    くるのが、正直なところ、なんだかな、って感じました。

    「x」「y」の2人は「二次関数」の世界を探して、果てはメタ数学の
    領域にまで足を踏み入れていきます。そこでは、もうすでに、
    数学の在り方を根本から見直そう、みたいな感じになっていて、
    言語レベルでの問いになっちゃってて。

    いわば、解き手である人間の手を離れてしまった段階に至って
    誰も教科書を読まなくなった。解き手がいてこそ成立する数学の
    世界はその時点で自己矛盾を起こし、数学の時空を自由に行き来
    できる「郵便配達員」によって、その世界の公式を成り立たせる
    要素(点A・点B・点Pやx・y)の抹殺という形で消去させられる。

    この辺から妙に難解なストーリーになってきましたね。次の場面で
    全員が生き返っているのは、別の数学次元だから、ということなの
    かな? どこの時空で起こったことなのか、途中、追いきれなくなって
    きたので、あんまりいらなかったかも。yを点A・B・Pの三人でぐいぐい
    恋バナで追い込んで勝手に盛り上がっていた場面とか面白かったので
    なおさらそうですね。

    ラスト、永遠に一瞬しか交わる事のない数学の世界を抜け出して、
    人間の世界に行く事にした二人。「無限の代わりにずっと一緒に
    いられることがない」場所から「有限の代わりに一緒にはいられる」
    世界で再び二人が出会う場面で終わりなんですが、ベタなだけに
    素直にいいですね、こういうのは。

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    2014/09/21 06:30

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  • はじめ ゆう様
    観て来た!コメント、ありがとうございます。
    擬人化の面白さも伝わっていれば幸いです。
    後半にかけての展開に関しては、脚本演出共に悩んでいた点ですので
    ご意見頂けたこと大変光栄に思います。
    今後とも、チーム夜営を何卒よろしくお願い致します。

    2014/10/10 12:41

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