Unbreakable-アンブレイカブル 公演情報 演劇レーベルBo″-tanz「Unbreakable-アンブレイカブル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    見事な世界観
    まず、見事な世界観と惹きこまれるストーリーでした。当日パンプも凝っていて観劇前から期待が高まりました。
    公演中なので、以下ネタバレで。

    ネタバレBOX

    舞台ですが、映像を上手く多用し、神話をモチーフにした世界観は大変魅力的でした。音楽も良く、良い意味で映画をみているような感じもあります。
    随所に、ベタな笑いを取り入れコメディ要素もありますが、一言でいうと
    「カッコイイ」舞台でした。
    天使は、勧善懲悪ではなく、グリゴリの方にも感情移入できるような感じがとても良いです。
    ダーク・ファンタジーな部分は、日本では残念ながら日常的になってしまったようなダーク感でしょうか。

    続編につながる終わり方で、次回以降も楽しみです。
    ただ、亡くなってしまった早坂さんのマリオ一人芝居やタミエさんの哀愁感が観れなそうなのは残念です。


    最後に、フィクションとありますが、明らかにあの震災を思い出す演出はどうかとも思いました。近くで観劇していた人が東北出身の方のようで、観ていて気分が悪いと、おっしゃっていたので。これだけの世界観を出せるのですから、その辺を考慮して違う形でも同様の演出は出来たのではないでしょうか。
    素晴らしい演技力の役者さん達と見事に映像を駆使した舞台なのですから。


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    2014/09/07 23:55

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  • はなだ さとし 様

    御公演中のお忙しい中、コメント頂きまして大変ありがとうございます。
    震災に対するお考えまたその想い大変良く分かりました。

    残念ながら日本は災害列島ですし、少なからず既に風化してしまっている部分もございます。
    そのような状況を鑑みますと、コメントにございました「現実から目を背けたってなにも変わらない。それを直視することから、すべてが始まる」というテーマのもと、今回の演出・表現は一つの
    答えであるとも思えます。

    恥ずかしながら、私は小さい人間ですので、すぐに100%全て理解して受け入れられましたとは
    まいりませんが、少なくともコメント頂きました事で御見解が分かり大変良かったです!

    それでは、残りの御公演の成功と続編を期待しております!

    2014/09/08 20:32

    演劇レーベルBö-tanzのはなださとしです。
    コメントと高評価、まことに有り難うございます。
    本作品も気に入って頂けたようで、嬉しい限りです。

    ただ、この場をお借りして……ネタバレにございます「些か問題のある表現」について一言弁明させてください。

    私は茨城在住で「例の震災」を「とある研究所」で経験しています。幸い私の周りに死者こそ出ませんでしたが、研究室はめちゃくちゃになりました。街中ブラックアウトとなり、研究所の非常電源もやがて停止しました。凍結保存されている研究試料をダメにしてしまわないために、ドライアイスを求めて、街路灯どころか信号機すら消えてしまった真っ暗な道路を車でひたすら走り回ったことを思い出します(携帯電話も通じなかったので、車で走り回ってドライアイスを持っていそうな事業所を探し回るしかなかったのです)。
    自宅はマンションの14階なので、とんでもないことになっていることは予想できます(研究所の6階以上は目もあてられない惨状になっていたからです)。立場上、自宅にすぐ帰ることはできません。在宅しているはずの嫁がたとえ死んでいたとしても、冷静に対応できるように腹をくくり、職員の安全な退去と研究試料の維持を最優先に考えて行動するしかありませんでした(←これが果たして正しい行動だったのか否かは議論が分かれるところかも知れません)。自宅に帰ると、足の踏み場もない惨状の中で、嫁はテレビを凝視しておりました。彼女が生きていたことを神に感謝するとともに、「今のうちにありったけの水を汲んでおけ」と彼女に指示します。やがて水が止まることは確実だからです。電気の復旧は早かったのですが、実際水道の復旧にはやはり1週間を要しました……。
    いや、そんな私自身の被災体験をお話ししたいわけではありません。
    津波の被害も目もあてられない悲惨さでしたが、本当の最悪な状況は「福島第一」の事故です。私自身も科学者(細菌学者)の端くれですので、微生物の力での対応を必死で考えます。でも、こればかりはどうにもならないことに気付かされ、愕然とします。すべての放射性物質は半減期が決まっており、それを早めることはできません。それは物理法則です。ヴィトゲンシュタインがいみじくも言った「神ですら物理法則を超えられない」のアフォリズム通りにどうにもならないわけです。無力感に襲われながら、うめき声を上げるしかありません。そして、ついに耐えきれずにこう叫んでいました。
    「我々はどうしてあんな発電方法を選択してしまったのか」と……。

    この作品は、あの「震災」での私自身の体験、そこで感じた焦燥と不安、そして「私自身の科学」がこの様な事故に対して無力であるという忸怩たる思い……そのすべてを破裂しそうな圧力で詰め込んだものなのです。私自身のリアルな、赤裸々な想いを純粋に表現するために、「あのような映像」の使用を決断しました。それが観客を不快にするであろうことは十分に理解しています。ですが、そうしなければ私自身の心の叫びは、本当に伝えたいことは伝えることができない気がしたのです。観客の一部の方々(いや、多くの方々かもしれませんが)を嫌な気分にさせてしまったことは平身低頭、謝罪するしかございません。しかし、本作品の本当のテーマが「(どうにもならない)現実から目を背けたってなにも変わらない。それを直視することから、すべてが始まる」である以上、この様な不躾で不快な表現をするしかなかったのです。

    この表現に関するすべての責任は脚本を書き、演出プランを立てた私「はなださとし」にあります。不快にさせてしまった方々すべてにこの場をお借りして心よりお詫び申し上げます。

    2014/09/08 11:58

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