満足度★★★★★
当日券で観る価値あり
冒頭、仮面をつけた「少年」の異様な舞踏に引き寄せられる。
父親を4回も刺して殺害した容疑で裁かれる少年。
彼は有罪か、無罪か。
最初は、1人を除く11人の陪審員が有罪の評決から動かなかった。
彼女の熱意に押されてもう一度事件の審議を始めてから、密室の中で二転三転するドラマが実に素晴らしかった。
ごく普通の人々が、極限状態(施錠された部屋で、5日連続で殺人事件の事ばかり考えているわけです)で見せる一面には、きっと本人は意識したことも無いだろう差別的な考えも現れる。
人種差別、性差別。社会的弱者への偏見。
常日頃、自分は差別なんてしたこと無いよ、という人が取る行動にぞっとしたこともある私としては、そこが何より怖かった。
望月龍平さんの脚本と演出に感じ入った作品。
キャストも贅沢なので一見の価値ありです。