Twelve 公演情報 龍平カンパニー「Twelve」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    当日券で観る価値あり
    冒頭、仮面をつけた「少年」の異様な舞踏に引き寄せられる。
    父親を4回も刺して殺害した容疑で裁かれる少年。
    彼は有罪か、無罪か。
    最初は、1人を除く11人の陪審員が有罪の評決から動かなかった。
    彼女の熱意に押されてもう一度事件の審議を始めてから、密室の中で二転三転するドラマが実に素晴らしかった。
    ごく普通の人々が、極限状態(施錠された部屋で、5日連続で殺人事件の事ばかり考えているわけです)で見せる一面には、きっと本人は意識したことも無いだろう差別的な考えも現れる。
    人種差別、性差別。社会的弱者への偏見。

    常日頃、自分は差別なんてしたこと無いよ、という人が取る行動にぞっとしたこともある私としては、そこが何より怖かった。
    望月龍平さんの脚本と演出に感じ入った作品。
    キャストも贅沢なので一見の価値ありです。

    ネタバレBOX

    贅沢なキャストと書いたけど、特に3人の方が印象的だった。
    山口馬木也さん。一見、反抗期の息子を持つごく普通の父親が、何故か容疑者の有罪に固執する。自分の意見を通すために周囲を罵倒し、大声をあげる人、いるわーと思った。
    村井國夫さん。当初から危ないオジサンの雰囲気があるが、
    中盤、差別意識をむき出しにする場面の迫力がすごい。
    さすがの貫禄です。
    土居裕子さんの爽やかな弁舌は、審議を終えて早く帰りたい面々の中で清涼剤のよう。弁護士みたい、と劇中で言われていたけどまさにそう。

    もう一度観たいけど、自分がリピートするより初見の観客にどんどん足を運んでもらいたい作品。

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    2014/09/04 01:19

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