わたしの星 公演情報 ままごと「わたしの星」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ちょっと呆気ないか?
    それは多分、劇が限られた生徒の話になってしまって、そこへ他の生徒があまり絡めていないのも一因。他の生徒をもっと強く巻き込んで話を進めていれば、物語がうねりながら大きく大きくふくらんで、より見応えが出たことだろう。
    そうするためには、90分という上演時間はやや短すぎたかもしれない。

    また、「わたしの星」と題されながら、みんなの母なる星・地球への愛着、愛惜があまり表現されてないのも物足りなさを助長。表現されてはいるものの、これではまだまだ生ぬるい。


    それでも最後まで楽しく鑑賞できたのは、10人の高校生を演じた現役高校生たちの生気あふれる演技の賜物。

    どんな出来事にもヴィヴィッドに反応して群れ成して騒ぎ、なじり合ったりふざけ合ったりする生徒たちの姿には何度も何度も声を出して笑ってしまった。

    そして、2人の女生徒が動きを揃えて軽快かつ優雅に繰り出すステップの美しさには、音楽の素晴らしさも相俟って、上の不満が帳消しになるくらいときめいた。

    私はこのダンスレッスンのシーンから映画『花とアリス』のワンシーンを連想したが、そう言えば柴ワールドは岩井俊二の映画世界に通じる何かを持っている。

    ネタバレBOX

    温暖化が進んで住みづらくなった地球から火星への移住が進み、地球最後の高校となってしまった近未来の学校の夏休みの出来事を描く。
    3学年合わせても生徒数が両手で収まるこの高校を家族の火星移住によって去ることになった女生徒スピカは、文化祭の練習のため学校へ日参する仲間たちに転校を切り出せず、地球を去る前日にようやく白状。
    学業成績、運動神経、明るさ、人望…あらゆる点でスピカに負けていると感じ、悔しさのあまりしばらく前から一緒に登校することをやめていた幼なじみのナナホは、それでも大好きなスピカ、その存在のまぶしさから心密かに「わたしの星」と呼んでいるスピカの転校にショックを受け、劣等感によって抑え込まれていたナナホへの友情を爆発させる。
    …というのが基本的なストーリー。

    こういう背景があればこそ、2人きりでのダンスレッスンのくだりは胸に迫るし、水臭いスピカをビンタしたあと強く抱きしめるというナナホの行動は感動を呼ぶ。
    抱き合う2人に感極まった他の生徒が2人に抱きつこうと群がってきてダンゴ状態になるくだりはさらなる感動を呼び込むと同時に笑いをも誘い、えもいわれぬカタルシスがありました。

    惜しむらくは、スピカがいかに魅力的な女生徒であるかがあまり詳しく描写されていない。そこがしっかり描かれていれば、感動はより増したと思う。

    0

    2014/08/22 16:52

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大