演劇を見る悦びがここにある。
大谷亮介さんの素晴らしさは、もう幾つもの舞台で見知っていたから今更とか思っていたのです。が、違った。ここでの大谷亮介さんの素晴らしさは、筆舌に尽くし難く重厚かつ軽妙で、ものすごい技術力をもって舞台に望むのだが、それを表にこれぞと出すようなことはしない。すべてがいま人間の内から沸き起こるものとして送出されていく。表現というか、演技というかそれを越えているものなのだ。役をなぞる演技ではまったくない。瑞々しさにあふれた名演!講演が終わったあとの去る姿。その後ろ姿。歩いて行くその姿は、あああ、あの人だ。何と、チャーリーチャップリンが「街の灯」や「ライムライト」で見せた姿とだぶる。
それに、
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