饒舌な伝わらない言葉
歴史ファンタジーをやる劇団やこの劇団でもお馴染みの、「てゆーか」「言ってねーし」「聞いてねーし」を多用するこうしたタイプの台詞って、小声で早口、畳みかけるような受け答えで、テンポのいい掛け合い漫才を思い起こさせるが、もうほとんど様式化されていて、別に目新しいわけでもなく現代の若者を表現しているとは思えない。云わば、歌舞伎以上の様式化された表現で、といってそこに歌舞伎のような様式美があるわけでもない。当然ものすごく饒舌になるわけだけれど、「覚えるの大変だろうな~。」とは思うが、何かが伝わってくるわけでもない。こうした表現を重ねることによって伝わる何かがあって、それを受け取れない私が悪いのだろうとは思うけれど、せっかくの親の愛も何だか饒舌の中に埋もれてしまったような気がする。