満足度★★★★★
物語の進化を目の当たりにした。。
回を重ね深化したものを見ることはよくある。
「会場が変わって演出も大きく変わりました」と言われても、素人目には大した変化には感じない。ストーリーが変わった訳ではないから。「進化」を目にすることはそうそうないのである。
八幡山で2回、岡山で1回、週一参加の後3週間空けて王子でのラストラン。
最初からとても良く出来た物語だった。一人ひとりのキャラクターも丁寧に描かれ矛盾を感じる点は皆無。誰に感情移入しても成立する物語。主人公はひよこのタック。素直にそう思っていた。
このタック、昔飼っていたひよこを彷彿とさせ、私の目にはリアルなひよこに見えた。サイズ感なぞ想像力で簡単に凌駕できる。可愛くてしょうがないひよこちゃんが、岡山までは確かにそこにいた。
ところが王子では、もはやひよこには見えなくなっていた。と同時に「タックが主役」という印象も消えた。「みんなが主役」になっていた!
この人数で群像劇に当てはまるのか知らないが、「群像劇」と言うのとも違う。
誰かに感情移入しなくても、一人ひとりが主人公なのだと感じられる。実際の人生ではみんなが主人公であるように。
ファンタジーの形を借りたとてもリアルな物語。その印象は最初から変わっていない。そう「リアル」!やけにリアルなんだなぁ。
最初に感じたリアルは社会事象など現実の世界とそこにいる自分自身。そしてそこにある思いに嘘がないというLIVE感。その思いがこの3週間のあいだ現在進行形で進化してきたに違いない。単に深化ではない進化が全く違う物語の姿になった。そしてそれこそが作品の真価。このメンバーならではの「仲間の物語」。おぼんろ号、見事に入港しました。その場に立ち会えた幸せこそが感動であった。出会えたすべてに感謝!!