ドードーの旗のもとに ~いくつもの傷口に唇をおしあてて~ 公演情報 劇団ガソリーナ「ドードーの旗のもとに ~いくつもの傷口に唇をおしあてて~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    不協和音を楽しむ‘朗’読劇。
    朗読…声をあげて朗々と、詩歌や文章を読むこと。
    と国語辞典にある。

    ‘朗読劇’と聞いていたので、さぞかし耳に心地よい言葉の調べを聞けるのかと思っていたら、、まるでその逆で、正直面食らった。

    役者たちは大仰に声を張り上げ、絶叫する。
    矢継ぎ早に浴びせかけられる、言葉、言葉、言葉。
    言葉の洪水。

    20人近くの役者たちが狭いステージの上で、めいめい好き勝手にしゃべりだす。

    とにかく辛い。耳障りだ。


    たくさんのカラーボールを役者たちがスローモーションで投げあう、というシーンがあった。
    役者の体がゆっくりゆっくりと動く。
    しかし当然、手から離れたボールはスローモーションでは動かない。
    このとき感じる、ふとした違和感。
    (先日見た、蜷川さんの‘わたしを話さないで’にも、サッカーボールを使ったスローモーションのシーンがあったが、こちらはボールもしっかりゆっくり動いていた)

    そんな‘違和感’が、この朗読劇にはいたるところに点在している。
    見ていくうちに、次第にこの‘違和感’たちが集成し、増幅し、やがて大きな不協和音を奏でだす。

    この不思議な感覚!!

    そうか!これらはすべて演出家の意図するところだったのか!!
    無秩序に雑然と存在してると思えていたものはすべて、計算高い演出家の手によって巧妙に仕組まれたものだったのだ。
    そう気づいた時に、さっきまで感じていた嫌悪感はすっかり消え去り、快感へと変わっていた。

    一度だけではほんと物足りない。
    何度も何度も見たくなる作品だ。

    (残念なことに、、わたしが見たのは楽日であったが。。

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    2014/07/22 13:24

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