博多アシッド山笠 公演情報 ハリケーンディスコ「博多アシッド山笠」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ドーパミンがどくどくと。
    なにか、癖になるような魅力があって、ここの所欠かさず毎回観ています。

    今回も、時間があっという間。もう、観ていてぐいぐいと嵌る。理屈を超越して、ほんと面白かったです。

    ネタバレBOX

    物語はある意味シンプル、
    でも、登場人物たちの背景などはちゃんと綴られているし、
    描かれるもの自体が唐突だったり奇異だったりする感じはまったくない。
    最初こそ、裏山笠とはみたいな感じはあるのですが、
    世界はたちまちに観る側をしっかりと抱いて疾走を始める。

    鉄パイプと金属バットがガチでぶつかりあう音にぞくっとくる。
    ドスにチャカに発破と舞台の上はやりたい放題、
    でも、それらを暴走させても暴発させずに、
    観る側が歩む階段としてしっかりと組み上げていくのは戯曲の力。
    電動ドライバーの音ともに、
    劇場の高さいっぱいに山笠を組み上げ歩み出す態は、
    整然と演劇の約束の内にあって、
    でも、そうして生まれ醸し出される演劇的グルーブ感だからこそ、
    観る側をただ無秩序に引きこむのではなく、
    ロードムービー的な手法もからめて
    一歩ずつ空気に温度を与え、j物語を歩ませながら、
    その理性を痺れさせ、ハリケーンディスコワールドともいうべき世界に
    どっぷりと浸しこんでしまう。

    冷静に考えれば、
    とあるシーンでは別に上半身を晒さなくてもよいのかもしれないし、
    別のシーンでは、体の一部として目をくりぬかなくても、
    指でも髪の毛でも物語は通るのかもしれない・・・。
    でも、ほら、そこまでにドーパミンが絞り出され
    痺れちゃっている理性だと、
    その一つずつのインパクトではないと
    満たされないようなのめり方になってしまっていて。

    観終わって、すごくベタな言い方だけれど、
    血糊(それも鮮血ではなく、よりリアルな静脈血っぽいやつ)に顔を汚し、圧倒的に体を張り、声を枯らして役者たちが演じあげていく
    登場人物のひとりずつがめちゃかっこよい。
    ありえないというか、観る側の想定からさらに半歩踏み出した、
    キャラクターの実存感にしっかりと取り込まれてしまう。

    作り手と役者たちの体を張った、
    でも数多くの細かい企てに紡ぎあげられた、
    舞台の肌触りとその顛末に
    今回もしっかり囚われてしまいました。        

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    2014/07/12 01:27

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