むじなの逆襲 公演情報 劇団河馬壱「むじなの逆襲」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ノスタルジーと別役的おかしみ
    奇妙な劇団である。
    昨年も観たが奇妙。
    しかし、昨年の免疫があるため
    「観方」がわかってきた俺は今年異常に楽しめた。

    詩的な言葉の羅列と、珍妙な替え歌。
    いくつも重なるイメージのコラージュのような
    シュールなシーンの数々。
    別役作品ばりの不思議な静けさ漂う脱力系。
    こみあげてくる「おかしみ」はじわじわと
    観る者を侵食する。

    50歳近い劇団員達(最高年齢65歳)は、
    加齢のためか日常的に稽古をしていないせいか
    声がでなかったり動きにキレがなかったりと
    一部問題はあるのだが(笑)、
    やたらと存在感があり、チャーミング。
    手勢を巧みに配置する
    演出 中川さんの力量を感じさせた。

    また、今回は作家がよかった。
    戻れない少年時代の「あの夏」や
    いつの間にかなくしてしまった
    思い出のアイテムに捧ぐ優しくも
    寂しげなイメージのオブジェ90分。

    夏を感じました。
    戻れない夏も感じました。
    この戻れない90分のことを
    来年の夏もまた思い出すのだろうな。

    おそらくこの芝居を観に来た20代の客で
    こんなに感銘を受けている者はいないだろう(笑)。
    観劇時の体調や気分の影響もあるのだろうが
    あまりにもグッときたのでコリッチにアップした。

    2008年7月27日、東京で上演されている芝居の中で
    一番面白かったのではないかと思っちゃうほど、
    今年の河馬壱はキレキレだった。
    デビットリンチの映画より河馬壱だ。と言っとく。

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    2008/07/28 02:36

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