ミュージカル 『レディ・ベス』 公演情報 東宝「ミュージカル 『レディ・ベス』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    リアルさに貢献する首切り役人
    先日も書きましたが、アンブーリンの登場場面に必ず現れる首切り役人役の方が気になって、とうとう2000円もするパンフレットを購入してしまいました。
    (父の存命中は、常に東宝のパンフレットには原稿を執筆していましたから、生まれつき、パンフレットを購入するという観念がなく、実に久々の自腹パンフでした)

    笠原竜司さんというジャパンアクションクラブ出身の俳優さんでした。この方の筋肉隆々の佇まいが、本当に首切り役人らしさ満載で、彼が、和音さんの横で存在するだけで、アンブーリンからべスに伝わる悲劇の連鎖を具象化していて、観劇する度に感嘆します。

    3度目の観劇でしたが、アンサンブルの進化が著しく、舞台が活性化していました。

    育三郎さんのロビンには、べスへの愛情が増し、平方さんのフェりぺ王子には、楽しんで役を演じられる余裕が生まれ、吉野・石川コンビの悪役ぶりには更に拍車が掛かり、二人の掛け合いの楽曲は、絶品の境地に…。
    ロビンの仲間の3人組は、舞台を明るくする役割をきちんと務められ、花總べスには益々気品が具わりました。

    後5回ぐらい観たくなる、素敵な作品に成長していて、これが、世界初演作であることが、ちょっと日本のミュージカルファンとして、誇らしい気持ちになってしまいました。

    3回目にして、口ずさめる楽曲も数曲できたので、初ミュージカルとしては、大成功ではないでしょうか?

    パンフレットによれば、首切り役人の登場は、演出の小池さんのご発案だそうで、この作品、東宝の手で、小池さんの演出で、世界初演できて、ラッキーだったのではと思いました。

    ネタバレBOX

    改めて思うのですが、吉沢さんて、確執のある女性同士が、お互いの気持ちが通じ合う瞬間に歌う楽曲に、いつも才気を見せつけて下さる女優さんですね。
    「ルドルフ・ザ・ラストキス」の時もそうでしたが、今回の舞台でも、憎んでいた腹違いの妹べスに、自分の気持ちを吐露して、憎しみが徐々に癒えて行く過程での歌唱に、心が籠っていて、何度観てももらい泣きしてしまいます。

    花總さんのべスは、最初の頃観た時より、べスの成長の変化をより丁寧に演じていらしたと感じました。ロビンに誘われて、男の振りをして街の様子を見に行くシーンで、ロビンの演技指導に、男っぽくする所作が、少女べスの楽しさを感じさせて、こちらまで嬉しくなりました。

    本当に、皆さん進化して、どんどん素敵な舞台になりつつありますので、是非、近い将来、また再演して頂きたいと願わずにはいられません。

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    2014/05/20 01:23

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