満足度★★★
20歳の国作品に感動!
20歳の国『Don’t Be a Stranger!』が素晴らしかった。
ある印象深いやり取りで劇が閉じられ、その瞬間、タイトルの持つ意味がじんわり心に沁み入ってくる好編。
生徒たちがJ-POPナンバーの独唱で心象を表現したり、ヒップホップ風のダンスが挿し込まれたり、LINE上の噂話が校内の恋愛模様を左右したり、劇は現代的な要素に満ち、一見するとスマホ世代のチャラい男女を描いた軽薄な学園青春モノにも思えるが、それらに惑わされず話の核心部分だけを注視するなら、本作はオーソドックスな甘酸っぱい青春譚と言え、そこのところが旧世代のオッサン客の感動のツボをブレなく射抜いた。
また、内容だけでなく、見せ方の巧みさにも感心。
話の断片をリフレインも交えながら時系列にとらわれずに並べていく作劇法は当今の国内演劇の流行りであり、試みている演劇人はあまたいるが、竜史さんほどこの方法を活用できている作・演出家を他に知らない。
なお、タイトルの意味については、竜史さんが当日パンフの口上でとても腑に落ちる説明をしてくれていて、英語にはこんな素敵な言い回しがあるのかと目からウロコでした。