『十二夜』 公演情報 日本の30代「『十二夜』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    オープニングは,たのしげな管弦楽だった。
    下北沢は,本田劇場の歴史もあって,たくさんの劇場がある。一か所にこれだけ多くの劇場がある例も珍しい。今回は,駅前劇場を初体験した。南口から正面の建物3Fに足を運んだ。小劇場とは呼べず,一番後ろの席からではやや遠景となってしまったが,オープニングは,たのしげな管弦楽だった。今回は,ここで,日本の30代による『十二夜』を観た。クリスマスから数えて,12日目の夜に何が起こるのか?

    兄と妹は事情があって,生き別れになって相手の生存も確認できていない。このことが双子の運命を翻弄する。シェークスピアには,このような男装をした女の子の話はよくある。今回もそのような物語で幾分つまらないかと思ったが,これが結構よくできていたのには驚いた。たぶん,シザリオ(ヴィオラ)が素晴らしかったからだろう。この主役の熱演が光った。オスカー・ワイルドの小説に出て来る女性の話を少し思い出しながら,シェークスピアをどのような気持ちで演じているものだろうか・・・などと想像した。岩波文庫の解説についてはひととおり読んでいった。

    この時代戯曲はすぐ舞台化されるが,出版にはずいぶん時間がかかった。そのために改作も多くて,内容もかなりちがったようだ。シェークスピアには37本の有名な作品が残っている。四折判(Quarto)と二折判(Folio)と区分でき,本作品は,最初の全集=First Folioに収録されている。時代背景としては,作家に対して圧力が下った頃であり,シェークスピアも神についての表現をおさえざるを得なかったという。なににしても,ヘンリー8世がローマ教会と決裂して以来,「火薬陰謀事件」などテロ未遂も身近であって,シェークスピアもピリピリしていた。

    オスカー・ワイルドの小説というのは,『ドリアングレイの肖像』のことだ。この小説は魅力的なストーリーであるが,主人公が場末の劇場でシェークスピア女優の演技に夢中になる。彼は,その少女が生活のためにだけ演技をしていたことを知り落胆するが,ささいないきちがいから,彼女は捨てられたと思い遠いところに旅立ってしまう。駅前劇場で演じられたシェークスピアは,イメージ的にこの小説とかなり近い印象を得た。もしかして,あの日恋をした青年がシザリオ(ヴィオラ)の名演をあとかたもなく奪う・・・のだろうか。

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    2014/04/27 06:52

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