ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇 公演情報 シアターオルト Theatre Ort「ケンゲキ! 宮沢賢治と演劇」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    広がる世界のメリハリに引き込まれる
    プログラムA( 『想稿・銀河鉄道の夜』とD(4 リーディング『銀河鉄道の夜』 )を観ました。

    どちらも役者たちを楽しんでいるうちに気が付けば宮沢賢治の世界にどっぷりと浸されていて。

    それぞれの作品が描き出す世界の余韻がしっかりと残りました。

    ネタバレBOX

    A:4月6日

    観終わって、なんというか滋養豊かな舞台だなぁと思う。
    テイストの異なる役者達それぞれのお芝居の確かさが、
    織り込まれた遊び心で場の空気を解き、束ねていく。
    役者達が幾つもの色で織り上げる刹那が本当にふくよかで楽しいのですよ。
    でもそのことが、人が直面し、想い、やがて受容する死のありようとそれを抱きながら生きることに瑞々しい感覚を織り込んでいきます。
    舞台が密度をもっても物語の広がりを縛ることなく、
    密度が解けても戯曲の世界をあいまいにすることなく、
    物語に戯曲への新たな実感に導き作り手の世界に血を通わせていく。
    気が付けば大きな机は宇宙となり、Nケージの汽車の動きが
    そこに流れる時間や人のの美術や照明もそれらにしなやかな座標と俯瞰を与えている。

    観終わってその舞台の楽しさの先に、やわらかく深い切なさが心に満ちいつまでも残りました。

    D:4月11日

    なにか即興的な側面も随所に垣間見える舞台で、始まってしばらくは役者たちが互いに自らのトーンを探り、間を取り合い、時にちょ、っとはみ出しながら物語を編み上げる感じがなんとも面白かったです。
    時にお芝居が脱線してしまうような部分もあったのですが、
    でもその解け方の強さが、そのまま作品のメリハリになり、
    やがてロールたちの色が定まり、リズムや息遣いが束ねらると、それまでの良い意味でのぐだぐださが、振り子のように整えされた世界を際立たせ、役者たちひとりずつの力量が舞台の柔らかさを次第に戯曲の世界の広がりに変化させていくことに舌を巻く。

    Aと同じ舞台が使われていて、気が付けば汽車の動きが時間と宇宙をめぐり、物語がその上に刻まれみるがわに置かれていて。

    そのテイストがとてもキャッチーで面白かったです。

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    2014/04/13 09:21

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