「髄-zui-」 公演情報 護送撃団方式「「髄-zui-」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 福島は、取り戻せない。
    「差別的表現」とは何なのか。


    確かに、メイクや、美術衣装等はグロテスクでしたが、差別語が台詞に 含まれていたわけではありません。


    従来ですと、それこそ障害者の「害」を「碍」に変更した一部メディアの配慮からわかるとおり、現実に実在したテーマが「差別」でした。ところが、藤森俊介さんのいう「差別」とは、ともするとSFファンタジーの部類に属しています。
    これは「来るべき差別」なのです。

    ネタバレBOX

    落ちぶれたアイドル・なずき( 池松あいみ)が主人公でしょうか。彼女は「触れた相手の記憶を吸収する力」が あります。
    2050年代?と2020年?が交差するストーリーですが、中盤ごろから、なずき の立ち位置が不明瞭に
    なってしまい、ついていけない観客も多かったように感じます。

    もう少し、役を平等に配分するのではなく、「グロテスク・ワールド」に位置する来訪者・なずき を力点にしてほしかった。



    さて、3.11福島第一原発事故を扱った作品のようですね。
    集英社新書『知っておきたいアメリカ意外史』を読むと、1940年代「マンハッタン計画」は、ルーズベルト米大統領と その側近しか知らない国家機密だったとか。当時のトルーマン副大統領すら把握していない陰謀科学だったのです。


    藤森俊介さんは原子力に対し、神学的な論争を提起している。
    グロテスクな風貌に騙されず、彼の一貫した、強烈なメッセンジャーとしての役割を私たちは確認しなければなりません。

    そして、宗教的、神学論的な原子力論は歴史を紐解けば正しい。


    最大規模の原発推進派、何を隠そうアメリカ聖公会でした。
    人類の文明を 木っ端みじんにしてしまう その破壊力を「神の火」とアピールする聖職者がいたのです。


    だから、私は生命=フランケンシュタインに結び付ける神学性を否定しない。


    「キオク」はシナプスの連結を超越した、土地に潜む「想い」なのか。彼は それを模索しているように思います。

    財閥・御曹司 奥間(神山 一郎)が運営するという「救済センター」は、どこか企業人への希望でしたね。東京電力は財閥ではありませんが、何でしょう、どこか「良心」に期待する演技でした。


    役者を個別に紹介すれば、カプセル内に狭しと保存されていた髄役・ふちのももこさんです。微動だにしない身体に「キオク」の信号がビリビリ発電していました。

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    2014/04/11 23:41

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