満足度★★★★★
まほろばという場と、やりとりへの切実さ『鳥瞰図』『混じりあうこと、消えること』ときたシリーズ同時代も、とうとうこれで終わり。とっても寂しい。ものすごく充実したプログラムだった。『まほろば』は、切実で、それでも、その切実さがどうしようもない笑いを誘う、女性たちの物語。僕ら男性が、なんだか、絶対に、立ち入ることができないような、そういう場が、世代を越えた女性たちの会話劇の中に、作られる。観て、良かった。僕は、この劇の話を、誰かにしたくてしょうがないのです。
ネタバレBOX
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2008/07/15 02:31
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2008/07/16 22:55
2008/07/16 18:38
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本当に、僕ら男は、女の人のことをまったく理解していないと思います。教育として、男女平等みたいな流れだからかも知れないけど、男性と女性の違いは、ほとんど無視されてる気がします。たぶん、意図的に。だから、僕は、この舞台を観るまで、例えば、「閉経」という言葉を知りませんでした。聞いたこともない言葉でした。あ、生理って、そういえば、あったね、へえ、なくなるんだ、なくなるの、まあ、そうだよね、みたいな感じで、「生理」自体、意識的に思い出さないと忘れちゃうくらいなもので。ごめんなさい、と、思いました。
そんな僕ですので、まさかキョウコが妊娠してるなんて、そんな可能性、夢にも思いませんでした! びっくりです! 「水、がぶ飲み」は、妊娠のサインのひとつと考えられるのですか? 知りませんでした……。僕は、ラストの、おみこしが通るときの、あのなんだかわからない、不気味なものが通り抜けるところで、お腹を押さえたのがミドリとユリアだけだったので、てっきり、妊娠は彼女たちだけだと思ってました。
でも、いや、キョウコ、妊娠してるかもしれないですよね。確かに。キョウコは、「私もおみこし担ぎたいなー」みたいなことを言っていて、女の人の中でも、男の人に近い人として描かれてたと思います。でも、そんな彼女も、妊娠してるかも……おお、この、確定できない感じは、きっと、女の人が、自分が妊娠したのかわからない時の、微妙な不安感に通じるんでしょうね。この、妊娠、「してるかも」ってとこが、怖いです。ほのめかしが積み重なって、「妊娠」につながるという描かれ方だったので、キョウコの妊娠も、ほのめかされてるかも!
やっぱり、僕ら男からすると、女の人は、すごいな、と思います。キョウコ妊娠説を聞いて、ますます、そう思いました。
そして、男性と女性の身体的なちがいについて、もっと、男女とも、考えたほうが、やりとりがスムーズにいくはずなのに、と、思ってしまいました。だから、いけさんも、男性が引いてしまうんじゃないか、と心配されてしまうわけですし、僕も、男性が書いたものだから、女性が観たら突っ込みが入るんじゃないかな、なんて、心配をしてしまいました。でも、そういう、男女の、「異性が観たら」的な心配も、視野に入った舞台だと思います。
とても面白い考察、ありがとうございました。すごく参考になりました。