ドッグウェイ 公演情報 サッソク「ドッグウェイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「間」が面白い
    人と人との間にある微妙なズレをとてもうまく描いていた。
    その「間」がとてもよかった。

    役者さんたちもとても良かった。

    ネタバレBOX

    本人にとっては重要ではあるが、
    他人から見たらどうでもよいようなことにこだわって、
    一番重要なことが対話できなかったり、
    あるタイミングを逃して、大切なことを言いそびれてしまったりというようなことは、誰にでもあることだ。
    そして、それらの些細なことの積み重ねで人生の行路が大きく変わってしまうこともある。

    ある劇団主宰者(作・演出家)の物語であり、
    表現を行っている者にとっては「あるある」要素の多い内容ではあるが、
    そこで語られていることはより普遍的。
    どんな人でも経験があるだろう、自己と他者との行き違いの物語。

    観終わった後、「そうだ、自分の人生でも、こういう些細なことで、無駄な争いや、行き違いをしているな」とつくづく感じた。他人の物語だと距離をとって見ることができるが、自分のことだとなかなかそう上手くはいかない。


    河西裕介氏自身が、「国分寺大人倶楽部」活動休止後の自分の状況を、この物語にどこまで反映させているのか、反映させているフリをしているだけなのか、その辺の微妙な感じも面白かった。


    演劇的には、その関係性のズレを、「間」を使ってうまく描いている。
    もっとテンポよくオチを付けて観客の笑いを誘うことは容易なことだろうが、
    あえて宙づりの空間をそのまま提示している。
    その演出が、なんともモヤモヤした感覚を観客に覚えさせ、
    時にそれがツボに入ると異常に可笑しく感じられる。
    面白かった。


    最後のシーンが、冒頭のシーンとほぼ同内容なのだが、ほんの少しだけ変わっている。その作りも素晴らしい。
    同じ部分でも、冒頭と最後では見え方が違う。それに、その違うの部分を深く考えることになる。
    (これは、河西氏が以前発表したStraw&Berryの『マリア』の構造と同じだ。)

    0

    2014/04/02 12:34

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大