『あら、救急車』   『夜まわり隊』 公演情報 ATラボ「『あら、救急車』   『夜まわり隊』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    マリオネット
    運悪く関わり合いになってしまった人にはえらい迷惑なことだが
    傍で見ている分にはイライラしながら笑っていればよい、という人間模様。
    オチがイマイチはっきりしなくて「そこが見たい、知りたい!」的な欲求が残るのは
    作者ギィ・フォワシィ氏の意図するところなのか…?

    ネタバレBOX

    ①「夜まわり隊」
    夜中に散歩していた男がとっつかまったのは「夜まわり隊」と称するこん棒を持った男。
    警官みたいに尋問された挙句、私生活をあれこれ詮索される。
    駐車場に止めた車からカーナビ等を盗まれないよう不審者を捜している夜まわり男は、
    異様に疑り深く、おまけに傍若無人な男だった…。

    「お前の家を家宅捜索する」と言われてついにキレた男は
    夜まわり男に突進して二人とも倒れ込むが、そこで暗転…。
    その後どうなった?
    あの叫び声はどっちのもの?
    結局どっちが勝ったの?
    と、野次馬としては知りたい事だらけ。
    身の潔白を証明するのは、自由な国と言えども極めて難しいのだと痛感。

    ②「あら、救急車」(土屋直子さんの回)
    “誰も死なない老人ホーム”がキャッチフレーズのホームの一室で、
    「もうすぐ死ぬ」と騒ぐ歩けない岩崎さんは、ひとりで死ぬことを極度に怖れている。
    別室の入居者のぶ子さんを呼びつけてはかみ合わない会話を交わし、
    わがままを言って人をこき使い、挙句の果てにいつも悪態つき合って大騒ぎ。
    結局看護師に叱られて、薬を飲んでいびきをかいて眠る日々。
    ある日のぶ子さんが窓から外を見て「あら、救急車」と言ったその一言がきっかけで
    岩崎さんが“身代わり脱出作戦”など計画したところから、事態は思わぬ方へ…。

    孤独な老人の本音がわがままいっぱいに描かれていて
    昨今のものわかりの良い年寄りとは一線を画すキャラが面白い。
    だけど妄想もわがままも度が過ぎると、後が大変なことになって、
    自分の首を絞めることになるんだよ、ふぉっふぉっふぉっ…って話。
    ブラックな終わり方でこちらの方がちとすっきりはするが
    のぶ子さんが見た救急車って、本当は何だったの?
    看護師のダークなキャラがリアル、実は一番怖いのはこの人か…。

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    2014/03/29 20:16

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