「40 Minutes」 公演情報 TABACCHI「「40 Minutes」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    テーマ設定と運営には不満も残った
    過去に受賞歴がある3実力派劇団がそろい、期待を持って観劇に臨んだ。

    観客数に比して会場が広いので、自由席にしてもよかったのではと思いました。

    作品と作品の間が暗転のままという感じで終わりと始まりの境目がはっきりしない。

    幕も下りるホールなのだから、幕を下ろして装置替えするなり、照明を明るくするなり工夫がほしかった。

    3作品で120分だからノンストップでなく、5分くらいの休憩を入れてもよかった。

    出場団体は参加が決まった時点では会場は未定なのだろうか。

    いつもの小劇場の間合いで作ってる劇団はハコの大きさと演出が合致せず、バラツキが出た。

    「サムライ」という共通テーマをどういう考えで主催側が出したのかわからないが、はたして妥当だったのか疑問だ、

    現代劇では「絵」にしにくい課題のためか、生かせずにコジツケに感じた劇団もあった。

    個別の感想はネタバレで。

    ネタバレBOX

    チョコレートケーキ


    人間魚雷を扱った作品。作品としてのメッセージがはっきりしているし、戦時下の話だけに「サムライ」というテーマもうまくはまっている。

    ただ、つくりが小劇場向きで、会話の緊迫感が広いホールでは出ず、台詞も聞き取りにくかった。

    戯曲としては秀作なのだが惜しかった。


    JACROW


    モチーフとなる東電OL殺害事件は有名だが、観客の中には「全然知らなかった」という声もあったので今回のように状況説明はあってよかったのかもしれない。

    事件自体、冤罪が発生し、真犯人不明のままで、被害者の奇異な行動にも疑問が多く、短編にあえてこれを選ぶ真意が観ていてわからなかった。

    また、実名を使い、公表事実以上のことは出さないので、事実に寄りかかりすぎ、未解決事件を演劇仕立てで説明しましたという印象を超えない。

    実名にする必要があったのか。仮名にしても演劇は成り立つし、亡くなった被害者への配慮がほしかった。

    むしろ仮名にして大胆な解釈をするなり、工夫がほしい。

    せっかく蒻崎今日子と谷仲恵輔を起用してるのだから父親と娘の関係により話を絞ったほうがわかりやすかったのではないだろうか。

    当日パンフレットには岡田以蔵のことは出てないし、舞台上にも固有名詞は出てこない。

    あえて幕末の「人斬り以蔵」になぞらえて結びつけるなら、もっと説得力ある丁寧な描写が必要だ。

    正直、東電のこの女性から私は岡田以蔵との共通点は連想できなかった。

    父親に殉じることがなぜ売春になるのか。

    第一岡田以蔵のことを知らない観客には何も伝わらないのではないのか。



    電動夏子安置システム


    テンポよくコンパクトなシチュエーションコメディを見せてくれた。

    役者の持ち味も生かせてるし、得意のロジックの面白さや起承転結がきちんとできていて、作品の完成度からいえば、3団体の中でダントツ優れている。

    だから1位に選ばれたのは納得できた。「自分のことばで語れない政治家」への痛烈な皮肉だが、この芝居も「サムライ」は後付けに感じた。





    0

    2014/03/24 22:46

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大