ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない 公演情報 ポップンマッシュルームチキン野郎「ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    なんともウケを狙った団体名と舞台タイトルですが
    ツイッターで盛んに「PMC野郎」の名前を見つけ、
    CoRichでも急激な盛り上がりを見せていたのでついつい観劇。

    短編集的な事が書いてあったので
    「まあコント集だと思うけど、それなりに笑えればいいや」
    ぐらいの気持ちだったのですが、メインは笑いを取りつつ
    ・ 考えさせられる話
    ・ 泣かせる話
    ・ 笑わせる話
    ・ シュールすぎて置いてかれちゃう話
    など、ほんとショートストーリー多数ありすぎて
    かつ、内容もそれなりに濃かったりして
    ちゃんと記憶しきれたかどうかすら
    分からないぐらいにボリューミー。

    思い出して「観劇後に読んだ方がいいよ」とあったパンフ
    見てみたら各短編名があったので把握し直せて
    思いだせて良かった良かった。

    あと脚本の方が
    「たった1つでも、あなたの心の中に生き続けるものがあれば」
    と書いてるけど、そういう意味では半分以上はドストライクだったと思う。

    こういう短編集だと1本ハズレがあったとしても
    全然気にせず次の1本行こう!って気になれるのも、
    お芝居を気楽に楽しめて「いいね!」ボタンを押したい所。

    ネタバレBOX

    各短編を想い出す為にもパンフにあった各短編名を並べちゃいます。

    ●客入れパフォーマンス『星になったガガ』
    ●幕間『振り向くな。そして君の手で掴み取れ、黄金を』
    ●第一話『魔法使いの苦しみは彼にしか分からない』
    ●第二話『私の彼は甲殻類』
    ●第三話『ふたりは永遠に』
    ●第四話『触り慣れた手のひら』
    ●第五話『頭空っぽの方が』
    ●第六話『悪魔のパンチ』
    ●最終話『What a Wonderful World』


    各話振り返りつつ感想など。




    ●客入れパフォーマンス『星になったガガ』
    開演30分前の開場時から、舞台上で1人の学生が
    独り本を読んで勉強してる(言ってる内容はちょっと馬鹿っぽい)。

    で、「帰ろ!」と立ち上がると不良達に囲まれ、
    貧乏暮らしの中母親が無理して貯めてくれたという
    修学旅行資金を奪い取られ途方にくれる学生。

    そこにレディ・ガガ様が。。。

    ガガ様「諦めちゃだめ!ガガが本公演終了までにあなたの
    名前入りマフラーを編んで見せるから!」

    で曲に合わせてダンスしながら、マフラー編みながら、
    が舞台開始直前「今回(マチネ)はここまで!」って言うまで続く。

    イッツ シュール・コメディー   って感じ。


    ●幕間『振り向くな。そして君の手で掴み取れ、黄金を』
    メインストーリー的に各短編間のつなぎとして入る物語。

    担任教師「野球部のエースのお前が、なんで万引きなんてしたんだ!」
    と怒る教師、そして怒られる生徒。

    校長ともう1人の教師(医療系の服着てるのでばけ学教師?)が現れ、
    生徒に「おまえの金玉もませてくれ、おまえが入学した時から
    我ら3人それだけがずっと夢だった!」と迫りだす。

    いきなりの物語転換に訳ワカメだけど、「金玉」連呼に会場爆笑。

    で、校長が(次に化学教師が、次に担任教師がそれぞれ)
    「俺の知っている話をする、それに感動したら金玉もませてくれ」
    と各短編へ入っていく。


    このお芝居見てるとタイトル通り、
    「ちょっと度を越したパンク or ファンキーな
    お馬鹿お芝居野郎どものコメディ」と想像通りの展開だな、
    と思いましたが・・・


    ●第一話『魔法使いの苦しみは彼にしか分からない』
    有名整形外科医、どんなブスでも美人に生まれ変わらせる
    その技術はさながら魔法のよう。

    友人に「おまえの手で整形した女性と結婚した男はさながら
    詐欺にあったようなものでは?」と聞かれ、
    「知らなければそれは2人だけの物語」
    (のような意味合いだったかな?忘れちゃった)のような返事を。


    整形外科医の家は元美人の妻とイケメンの息子、という美形揃い、
    先の友人の娘について
    「エレファントマンと呼ばれるほどのブスで本人も家族も悩んでるらしい」
    と話していると、次の場面でイケメン息子が「できちゃった結婚」。

    「できちゃった」はどうかと思うが相手の娘も美人なので安心した整形外科医。


    そして親族一同が集まる場に、なんと嫁の父親として先の友人が・・・


    そう、イケメン息子の嫁は「元エレファントマン」だった。

    そして、友人が先に「詐欺」の話をし、
    それに対して回答した自分の言葉が浮かぶ・・・


    確かにこりゃ葛藤するわ、自分で大量生産してた整形美人が
    自分の息子の嫁になった、となりゃ・・・

    そして産まれる我が孫。
    鳴り響く電話を取ると
    整形外科医「どっちだ!」
      「だから、どっちなんだ!」
      「どっち似なんだ!」


    ~ 終幕 ~


    笑いよりまず考えさせられる内容だなあ、と物語の上手さを思いました。


    ●第二話『私の彼は甲殻類』
    (ある女性が)ティッシュ配りのバイトで知り合った女の子の話。
    女の子の彼氏は西洋種のロブスターらしい(レッドロブスターではない所を強調)。
    彼はお金持ちの息子らしく
    自分もいい所のお嬢様と偽って付き合っているらしい。

    で、彼氏にティッシュ配りの場面を見つかってしまい、、、
    しかしそこで指輪を渡され

    ~ 終幕 ~


    書けなかったけど、1人の女性(実在しない、観客の視点)と
    ティッシュ配りを一緒にしてる(ロブスターと付き合ってる)
    女の子との会話+顔芸で笑わせるコント。


    ただし本作については、彼が甲殻類である必要性と
    彼が甲殻類だとどういう苦労があるか、など
    「甲殻類」を題材に選んだメリット的なものが
    見えなかったので佳作かなあ、と。。。


    ●第三話『ふたりは永遠に』
    まったく姿の同じおじいさん2人(片方は口が悪く、片方はやさしい)。

    口の悪い方「わしが死んだらちゃんとわしの代わりに
      妻の面倒を観るんだぞ、ロボじじい」

    どうやらおじいさんの片方(本物)は病気で、
    もう片方はその代役として作られたロボットらしい。


    おばあさん登場、すぐ町内会のハワイ旅行(1ヶ月)へ向かうという。

    おばあさん「それでは行ってきますね」
    本物じじい「うるせえ、ばばあ。さっさと行け!」

    再び戻ってきたおばあさんに
    ロボじじい「気をつけていくんだぞ、、、いや、さっさと行け、ばばあ」


    そして本物じじいは入院し、ロボじじいが後を引き継ぐ。

    旅行から戻ったおばあさんとロボじじい。

    おばあさん「・・・なんだかおじいさんが変わったような気がするのだけど」
    ロボじじい「・・・うるせえ、ばばあ。気のせいだ、寝る」


    そこへ本物じじいの死を(おばあさんに内緒で)ロボじじいに
    だけ伝えに来る訪問者(そういう約束が取り交わされていた)。


    そして、おばあさんとロボじじいの生活がこれから続くのか
    (これだけでも十分優しい話)、と思わせて実は・・・


    本物じじいの墓参りをする訪問者
    「10年ぶりに会えたかい?
    ・・・まったくもってほんとどこまでも似たもの夫婦だったよ、あんたらは。
    2人そろって全く同じ事考えるんだもんな。」


    そう、おばあさんはもう10年も前に他界し、ロボばばあに入れ替わっていた。
    そして今度はおじいさんがロボじじいに。


    ~ 終幕 ~


    なんだか口は悪いが本物じじいの優しさと、
    その10年も前に入れ替わっていたという本物ばばあ、
    そして残されたロボじじいとロボばばあの
    「優しさ」のようなモノにちょっと心の琴線に触れられた感じが・・・


    ●第四話『触り慣れた手のひら』
    最近連絡にも出ない弟を心配して会いに来る兄夫婦。

    そして兄嫁が買い物に行っている間に、兄から
    「何があったんだ?」と尋ねられると
    弟「恋人が出来たんだ。・・・でも彼女は死んだんだ。」
    兄「そうか・・・」

    しかし話はそれでは終わらない、
    弟「しかし最近寝るとずっと彼女の手のぬくもりを感じるんだ、
      彼女は生きていたんだ!」

    弟が1人ベッドに入るたびに現れる片腕、
    それは彼女の幽霊なのか(??)

    と思わせて、
    1本の電話
    弟「彼女のガンは完治した、彼女は死んでいない!」
     「・・・じゃあ、あの片腕は!」

    そこへ帰宅する兄嫁
    「なんだかこのマンションの駐車場で事故だか事件があったみたいよ、
    なんか片腕を切断された女の人の遺体が赤い車の下から見つかったとか」

    赤い車は弟の車だった・・・片腕の持ち主は・・・


    ~ 終幕 ~


    こういう怖い話は苦手だなー、まあベッドでの片腕演出とか
    温かい方面の話に見せて(片腕の動きが最初やさしい)、
    実はホラーとか上手さはあるかと


    ●第五話『頭空っぽの方が』
    妻と息子、「おじいちゃんがボケちゃった」。

    でも、とうとう「アレを見つける事が出来た」という。

    そして集まってくる親族(?)達。

    メンバーの1人に
    「ベジータ!アレはあったの!?」と言う所から、
    なんと物語はドラゴンボールらしい。


    そしてボケたのは孫悟空。


    ボケの余りに世界中を破壊しつくし、元気玉を作って
    人々の元気を吸い取ったりと悪(悪気はない?)の限りを
    つくしているという。


    その時、
    「オッス、おら悟空!」
    「オッス、おら悟空!」
    「オッス、おら悟空!」
    悟空が目を覚まし暴れ始めた。


    それを止めに行くZ戦士達、
    なんとか眠らせたが、
    1人(一番強そうだった)X-QUEST塩崎さんが戻ってこない。


    プーアル「ヤムチャは?」
    一同「(黙って首を振る)」

    やっぱりヤムチャが一番弱かったのか・・・


    そしてチャオズ達も揃い、7つの玉で神龍を呼び出す。


    神龍「なんでも1つだけ願いを叶えてやろう」


    そして願いを言う悟飯
    「お父さんをこ・・・」
    「お父さんをころ・・・」

    どうしても言えない一言。

    ベジータが代わりに
    「カカロットをころし・・・」
    やっぱり言えない。


    そして、
    プーアル「ギャルのパンティ、おーくれ!」

    空から落ちてくるパンツ。

    プーアル「こんなのいるか!(投げ捨てる」


    プーアル「悟空がいたから、悟空がいたから、
    今のみんながあるんじゃないか!!」


    そして
    「チチ、腹減ったぞ!」
    「チチ、腹減ったぞ!」
    再び目を覚ます悟空。

    チチ「もう今日5回目でしょ!」


    ~ 終幕 ~


    反則すぎる反則だよなー、ドラゴンボールド直球で使ってくるとか。

    でも実際悟空もうおじいちゃんだしありえない事はないんだろうな。。。
    でも神龍は自分の力を超える願いは叶えられなかったはず・・・
    悟空倒せなかったんじゃなかろうか?

    タイトルの『頭空っぽの方が』は、
    ボケるぐらいなら何もかも忘れて、って事かな?
    あるいはボケてもやっぱり悟空生きてて!って事かな?


    ●第六話『悪魔のパンチ』
    全ての記憶を失い、とある世界へ落とされた烈風(という名の男)。
    そしてこの世界では人々がそれぞれの集団に分かれ争っていた。

    はじめはジャンケンだったという。
    ある集団の者がキック(悪魔のキック、と呼ぶ)を知り、
    その集団が勝ち残った。
    そして次にある集団の者が投げ技(悪魔の投げ技、と呼ぶ)を知り、
    その集団が勝ち残った。

    そうやって次々に技を編み出すごとに各集団が敗れ去り、
    残ったのは2つの集団だけ。

    その片割れ、「悪魔の卑怯」(卑怯な技を使う)を使うたった1人が
    集団に襲われている所をパンチで助けた烈風。

    そしてそのパンチは「悪魔のパンチ」と呼ばれ、
    卑怯の集団のおじいさん「これで我らの闘争も決着を迎える」と。

    烈風から「悪魔のパンチ」を教わり、最後の戦いに望む若者(おじいさんの孫)。

    そこへ烈風が「みんなの争う心を破壊するパンチ」を放つ。

    みんなの闘争心が消えて、そして烈風は次なる世界へ向かう・・・


    ~ 終幕 ~


    「烈風」という名前とか、元ネタがなんかあるのかも
    知れないけど分からなかった。

    そうするとこのシュールすぎるストーリーもその展開も
    まったく理解不能だった。

    自分にとってはハズレかなあ、、、
    せっかくX-QUEST塩崎さんがめちゃかっこよく
    ファイトするシーン用意したんだから
    物語の方も少しシュールさから離れて、
    起承転結的な完結のさせ方をさせて欲しかったなあ、もったいない。


    ●最終話『What a Wonderful World』
    最愛の妹を失い、生きる目的を見失った若者は、
    「宇宙の果てを目指す」というプロジェクトにたった1人参加する。

    そして10万年もの眠りの中、宇宙船のメカに起こされるが
    そこには最愛の妹の幻影が。

    消える妹。

    メカに訪ねるも「生命反応は船内に1つです」との事。

    そして宇宙の果て(と思われる場所に)辿り着いた時、
    船の前後で大爆発が。

    若者「これはどういう事だ?」
    メカ「たった1つ今の状況を説明できる仮説があります。」
    と、かつてのアメリカの科学者の出した仮説、
    「宇宙が終わりを迎える時、生と死の関係もあいまいになり
    その境目は失われるという」

    そして、メカに歌を流してもらい酒を飲み、
    失われた境目から現れた妹と2人、
    宇宙の終わりを待つ兄。


    ~ 終幕 ~


    ちょっとストーリー的に短い(まあ短編なので当たり前だけど)、
    と思えた話。

    設定がいい感じ(本物の科学論文?)なので、
    もう少し長い物語として作ってほしかったなあ。残念。




    そして、再び世界は金玉にぎりの物語へ。
    宇宙の終わりの日、アメリカは既に元から何もなかったかのように
    消えてしまったという。

    そこで出会った元校長と元学生(今は成人して結婚もしている青年)。

    元校長「宇宙の終わりか、もう思い残す事もないよ」
    青年「・・・ほんとにないんですか?」(金玉に視線を)

    そこへ元担任教師と(何故か)自転車化してしまった元化学教師も現れる。

    青年「もんでください、俺の金玉を!」

    そしてパンツ脱いで半ケツ晒す青年。
    (ちょっとイヤン(/ω\)だった、やっぱり馬鹿集団だ)

    手で股間を隠しつつ前を向き、元校長と元担任教師、
    そして元化学教師(だった自転車)に股間を握らせると・・・




    元校長は物語冒頭の勉強していた学生だった、
    そしてガガが現れる。

    「希望を捨てないで」とかそんな事を言うんだったかな?
    そこは忘れちゃったけど

    今までのメンバー全員と
    レディ・ガガの曲に乗せてダンスを始める。


    お芝居といえばダンスパフォーマンスだけど、
    X-QUEST塩崎さんのガガダンスがかなりかっこよかった。
    ? もう1人、PMC内でマッスルボディな人がいたけど
      なんか塩崎さんの筋肉は目立つんだよなあ( ´ー`)


    そして終了。


    【思った事】
    ・ 単なる馬鹿コント集を想像してたら色々な方面の短編集だった。
      笑い、泣き、考えさせられる、怖い、シュール、その他。
      なんかお正月の福袋みたいな作品集、って感じなのかな。
      当たりもあればハズレもある。
      ただ、1つでも当たりをひいてもらえたら「制作側は満足!」
      と言った感じの。

    ・ 役者数から考えて、各短編ごとのメイクその他の早替えがかなり
      上手かった、と思う。
      さっきと同じ人だよな、これ、って思う場面多々あったし。

    ・ 上でも書いたけど、ラストのガガ様の歌に合わせての全員ダンス、
      X-QUEST塩崎さんのダンスがマッスルで「すごくカッコイイ!」って思えた。
      ぜひX-QUESTのダンス要素にガガ的なものも取り入れて欲しい。

    ・ 思わぬ形で知った思っても見ないような演劇/パフォーマンス集団だけど、
      かなり面白いんじゃないかな、
      今回は短篇集だったけど、長編もやるらしいので、そっちもぜひ観てみたい。


    PS. あと手書きブログが団体名、舞台タイトルなんかと全然合わないんだけど
      あたたかみがあってよかったです。

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    2014/03/23 17:13

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