ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない 公演情報 ポップンマッシュルームチキン野郎「ちょっと待って誰コイツ!こんなヤツ知らない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    踊るPMC野郎
    客入れパフォーマンスのあと、6つの短編とそれをつなぐ幕間のショートストーリー、
    そして終演後に30分のアフターイベントまで付くという
    まるで“数量限定春のスペシャル幕の内弁当”みたいに盛りだくさんで素敵な企画。
    通常公演とは違ったテイストのラインナップが楽しく
    キレの良いダンスの素晴らしさにびっくりした。
    エンタメ精神全開の構成もポップンらしくて好きだが
    作品自体に力があるのだから、もっとシンプルな構成でも成立すると思う。
    ただ短編を並べただけでも、個々の作品は十分際立つはず。
    ★の5つ目は素晴らしいダンスに捧ぐ。

    ネタバレBOX

    開演前のパフォーマンス、今回はCR岡本物語さんのももクロに代わり
    増田赤カブトさんの“あの歌姫”ガガ。
    これがマジで面白くて、まー会場が盛り上がること。
    初期の頃はただ衣装と目玉だけで“ガガって”いたが
    今回はそのパフォーマンスに努力とセンスが表れていてとても素晴らしかった。
    ボリューミーなボディながら顔の輪郭などが引き締まってその変化に驚く。
    「私の彼は甲殻類」で見せたひとり芝居の充実ぶりにも、目を見張るものがある。
    笑いを取る間とタイミング、ピュアな台詞など、ポップンで鍛えられたんだなあと思った。
    吹原幸太さんとコンビで仕切る司会も臨機応変でゆとりが感じられ、とても良かった。

    「ふたりは永遠に」、近未来SF世界に夫婦の相手を思いやる心が満ちていて
    あっと驚くラストの真実がすごい。
    「触り慣れた手のひら」のホラーもセットや演出が効いていて大変面白かった。
    吹原さんはぶっ飛んだ設定やあり得ないシチュエーションの中で
    普遍的な人の欲望や矛盾、弱さなどを際立たせるのが巧い。
    危ないギャグも下ネタも、一本通った太い幹の枝葉だからこそ笑って済ませられる。
    短編というコンパクトなサイズで、それが強調されたところが面白かった。

    黒バックの舞台にオレンジ色のキューブが椅子やベンチとなる
    シンプルなセットが鮮やか。
    最終話では壁の一部が開いたりして、スタイリッシュな一面を見せた。
    この最終話でのサイショモンドダスト★さんとNPO法人さんのやりとりは
    クールで味わいがあってとても良かった。

    そして何と言っても「悪魔のパンチ」で見せた迫力あるダンスシーン。
    塩崎こうせいさんの素晴らしい動きから目が離せなかった。
    正直、ストーリーが吹っ飛ぶくらいの強烈な印象。
    この方の所属する劇団X-QUESTを観てみたくなった。
    女の子みたいにきれいな顔だけど、意外に力強い野口オリジナルさんにもびっくりした。
    岡本さんは、“挙動不審のおどおどタイプ”と“謎の大魔王タイプ”
    それに“脱いだり着たり”とマルチぶりをいかんなく発揮してやっぱり素晴らしい。

    別にオネエ系ではないのに何だかいつも女性役を振られるNPO法人さん、
    やっぱり女性の繊細さが出るから納得してしまう。
    アフターイベントのようなお遊びタイムに中途半端でなくきちんと演技するから
    ポップンは面白いんだなあ。
    妙なお題を出されてもちゃんと個性が表れて感心するもの。

    短編ダーク編、短編ホラー編など、吹原作品の別の顔をもっと観てみたい。
    これから毎回最後に全員のダンスを入れるっていうのはどうでしょう?
    開演前も終演後も踊る踊る…これからはこのパターンか?!(希望)



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    2014/03/18 00:31

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