Jack moment. 公演情報 バンタムクラスステージ「Jack moment.」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    行く川の流れ
    シカゴを舞台に思いがけなくギャングになってしまった会計士の男と熾烈な抗争を描く。
    物静かな時計屋の男が物語の進行役を務め、
    バンタム特有の整然とした場転(舞台には折りたたみ椅子とテーブルだけ)により
    スピーディーながら一つひとつが腑に落ちる展開で脚本の巧さが際立つ。
    登場人物が人間臭く魅力的で、キャスティングの妙を存分に味わった。
    Jackと Frogのキャラが素晴らしく、スピンオフが観たくなる。
    それにしてもバンタムの銃声は音質・音量・タイミング全てが素晴らしい。
    照明に工夫があり、シンプルな舞台が劇的に変貌するのも見事だった。

    ネタバレBOX

    ちょっと映画の吹き替えみたいな台詞も時代と場所を感じさせて雰囲気がある。
    「スティング」や「オーシャンズ11」みたいな痛快犯罪劇かと思いきや
    後半事態はどんどん悪い方へと転がって行く。
    シカゴのボスが入れ替わる度、時計屋によって繰り返される台詞が
    どうしようもない無常感を醸し出して効果的だ。
    フライヤーにある「方丈記」の精神が色濃く漂い始める。

    丁寧な人物相関図が配布されて判り易く、よくこの人間関係をまとめたと感心する。
    時流に乗ってのし上がろうとするギャングたちと
    多くを持たなくても幸せになれると考えるジャックは対照的だ。
    反撃に転じたジャックの選択眼で声をかけられた“落ちぶれ軍団”が集まって
    チームを作り大仕事をやり遂げるプロセスが面白く、ここをもっと見ていたかった。
    ここが充実すればするほど、ラストの二転三転が口惜しく、爽快で、
    且つ“生きる場所を見出すために生きる”人の哀愁が浮き彫りになる。

    ジャックを演じる信國輝彦さん、誠実な風貌がこの役にはまって実にリアル。
    苦学して会計士になった堅実な男が知識を生かしてギャングに立ち向かう
    痛快な役にぴったりで、ラストの潔い身の処し方も説得力があった。

    フロッグ役の土屋兼久さん、自信なさげな時計屋の息子が
    巻き込まれた果てにギャングの一味となり次第に立場が変わって行く様が
    声や視線まで繊細に演じていて素晴らしい。
    ジャックの婚約者マリーに不器用ながら心を寄せるシーンなど切なさ全開。
    土屋さんはマジでポニーテールが一番似合う(と勝手にそう思う)。

    ダニー役の福地教光さん、今回も今すぐ金が必要な理由は“女”という
    どうしようもなく純で、立場に溺れやすく、虚勢を張りたがる男(しかも振られる)を
    生き生きと演じていて、またそういうダメ場面で色気があるから面白い。
    バンタムは、二枚目看板役者に“スーパー完璧主役”ではなく
    こういう“情けな系ダメ男”を当てるところが本当に巧いと思う。
    もったいないようでいて、実は次が楽しみになるのはこの意外性のためだ。

    久しぶりに身体に響く銃声とエンタメ精神に大変満足。
    次のバンタムはどんな作風だろう?
    シリアスかコメディか、ダークなサスペンスか、銃声かナイフか、猟奇的か変質的か…
    ってもう私の個人的期待が渦巻いて、今から楽しみでならない。
    萬劇場、JR大塚駅まで行きさえすれば、そこからは近いと知った。

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    2014/03/14 18:32

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  • つっちーさま
    まあ!コメントありがとうございます(*^_^*)
    そうですか、ロン毛ですか、それは観なくては…!

    ほんとに素晴らしかったです。
    8月のコラボ、ダイナミックな舞台になりそうで楽しみにしています。
    こちらこそありがとうございました!

    2014/03/21 03:04

    ご来場ありがとうございました!フロッグを演じました6番シードの土屋です。

    次回、土屋は5月に6番シードにて「オレンジ新撰組リターンズ」にて主演を演じます!お時間がございましたら是非とも!!次回もロンゲかもしれないです(笑)

    8月には6番シードとバンタムさんでコラボします!ご期待ください!

    ご来場ありがとうございました!!

    2014/03/21 00:10

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