流れゆく庭-あるいは方舟- 公演情報 ワンツーワークス「流れゆく庭-あるいは方舟-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 3.11クライシス 「憂い」こそ最大の「備え」だ





    「TUNAMI」は世界語である。

    2008年秋、投資会社リーマンブラザーズが経営破綻したことに伴う世界同時株安を「100年に一度の金融TUNAMI」だったと弁明したのはFRB議長(当時)グリーン・スパン氏であった。
    2012年公開映画『ソウル・サーファー』は鮫に片腕を喰いちぎられながらもプロ・サーファーとして再起する少女ベサニー・ハミルトンを描いた実話のヒューマンドラマ。その裏には国際人権団体『ワールドビジョン』へ注いだボランティア活動がある。
    彼女が復興支援に降り立つ2004年スマトラ沖大地震被災地のニュース映像(実際)で「TUNAMI」がナレーションされている。


    ワンツワークスの本舞台が一度だけ強調(台詞)していた「備えあれば憂いなし」を、私たちは飲料水、保存用クッキー、懐中電灯に結びつけてしまう。


    ところが、その逆に、震災へ対する警戒心は すぐ忘却する。


    繰り返してはならない。


    2004年にも、2008年にも、経済金融と、海の向こうで発生した震災という違いはあるが、CNNキャスターが「TUNAMI」を伝えていたことを。


    物理的な「備えあれば」、決して「憂いなし」とはならない。東日本大震災に国土が呑み込まれた3.11を「憂う」ことが、私たちにできる最大の「備え」である。


    劇団員・関谷美香子氏によると初演時と比べ「半分、書き直した」脚本らしいが、おそらく この部分であったと思う。



    『ワンツワークス』は日本唯一のドキュメンタリーシアターを紡ぐ劇団。なぜ「当事者へのインタビューを演劇という形式に則り再現するのか?」といえば、それは社会的要求だろう。

    つまり、福島第一原子力発電所事故作業員を直視した『恐怖が始まる』や、200○年○市河川災害を描く『流れゆく庭ーあるいは方舟ー』がドキュメンタリーシアターなる形式を放棄したからといって、この劇団「らしさ」は変わらない。




    赤坂レッドシアターに噴水が出現か。セットは市役所災害対策室だが、その一部には巨樹が建つ。
    木の枝からは「ジョロジョロ」水が流れる。

    終演後には関谷氏、山下有佳氏、武田竹美氏がアフタートークを行い、「キャラクターを どう つくるか」について その考えを披露した。

    本番中、記者クラブ会員や公務員のデスクワークだった机に用意されていたのは500㎖ペットボトル・ウォーター。

    洪水災害は「水の脅威」だろう。それなのにもかかわらず、人間にとって「水は生命」であり、健康を維持するために欠かすことのできないパートナーだ。

    3本のペットボトルが物語っていた。


    関谷氏は(初演時から)「6年間経ったから苦労した。当時は素の自分を出せたが、今回はそうはいかない。若さを失った」と述べた。

    武田氏は「私は読売で、高田(奥村洋治氏)さんは地元紙。上司か部下か…でも同僚ではなく他社同士。そこに気をつけてと古城さんから言われた。記者クラブならではの関係性が難しかった」と、振り返った。



    ※続く



























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    2014/03/11 02:19

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