J・シュトラウスⅡ『こうもり』 公演情報 東京芸術劇場「J・シュトラウスⅡ『こうもり』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    現代の日本に置き換えた演出
    男女が騙し合う喜劇を、舞台を現代の東京に設定し、遠い国の昔話ではなく今日的な身近な物語として描いた、親しみ易い演出でした。

    日本人キャストは日本人の役、欧米のキャストは日本に住んでいる外国人という設定で、ドイツ語と日本語が入り混じる状況をすんなりと受け入れられる趣向になっていたのが良かったです。手紙を携帯電話(しかも着信音が『こうもり序曲』でした)に、仮面をサングラスに置き換えていて、現代の話として違和感がありませんでした。しかし、設定を置き換えたことにそこまでの必然性が感じられなかったのが少々残念でした。
    第2幕までは現代的要素の入れ込み方にセンスの良さを感じたのですが、それだけでは演出家としての個性が弱いと感じたのか、第3幕では美術や演出に必要の無い要素が多く、あざとさを感じました。

    第2幕ではウィーンで活躍した名歌手メラニー・ホリデイさんが本人役として出演して1曲歌い、チャーミングなパフォーマンスもあって素晴らしかったです。第3幕では西村雅彦さんの時事ネタを扱う一人芝居(偽作曲家事件についても言及があり、この公演で演奏していたオーケストラが大ヒットした交響曲のCDの演奏を担当していたのが皮肉的でした)があり楽しかったのですが、長過ぎると思いました。

    コンサートホールでの上演で演出に制限が多いものの、セットも衣装もしっかりしていて、視覚的にも楽しめました。色々な照明効果を使っていたのは逆に効果的ではなくなっていた様に感じました。

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    2014/02/21 09:45

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