これが「屋上遊園で思索」の『リアル』だ!
劇団名が 堅物「日本演劇連盟」だから、「小劇場界のホープを集めた役者・製作陣」と身構えてしまう。
しかし、実体は、20代、30代の新進役者を中心とする「若手劇団」だ。
アンケート用紙に「劇場に足を運んだ理由は?」項目があったのも、この「日本演劇連盟」というネーミングに惹かれる客を見込んでの措置か。
思わぬ集客攻勢だった。
「作・演の木下伸哉さん(=理事)は 百貨店屋上遊園のベンチで思索する(笑)
三人連れがアトラクションの行列に待機。お祖父ちゃん、お婆ちゃん、両手に挟まれているのが5歳くらいの お坊ちゃん。
家族団欒の横で大人男性が“独り思索中”とはね…」(舞台通M氏)
『ひとりディズニー』なら ともかく、それが百貨店屋上遊園であれば、確かに“ヤバイ奴”だろう。
この現実は木下氏も自覚済み。
登場人物のキャラクターに反映させる。
常連美女ー上島・東ヶ崎 恵美(舞夢プロ)
毎日来園し、自ら『ロミオ』と名付けたパンダ・アトラクションにまたがる習性の持ち主だ。
「“闘牛並”の場面転換力でしたね。叙述的な台詞とオペラショーが観客を圧倒させた。
“乱れ髪”すら気にしないヒロイン精神です。
そうそう。彼女といえば、60秒間の休憩を宣言する役割も。
わずか90分の舞台で休憩時間があるのは珍しいですが、カウントダウンが開始すると同時に、観客は一斉に立ち上がりましたよ」
小劇場の座席は 『満員エレベーター』とも称されるから当然か。他劇団でも導入すれば この“立ち上がり現象”は風物詩となる。
「こんな百貨店社会は存在しない。登場人物は基本 ぶっ飛んでます。
でも、演劇ならではの『質素な夢の国』だと思えた時、木下さんの妄想世界と共鳴できたようで、すごく有意義でした」
百貨店屋上でビールを飲み干す時代は終わった。
爆笑の渦に包まれた90分…。
2014/02/20 02:24
先日はお足元の悪い中、寒い中にも関わらず、ご観劇ありがとうございました。団体のネーミングについてコメントをされる方は実は意外と少ないのです。ご注目感謝いたします。
どんな入口からであれ、何とかして楽しい気持ちで劇場を後にしていただくべく、四苦八苦している20代、30代中心の日本演劇連盟ですが、頭の片隅においていただければ幸いです。
本当にありがとうございました。