満足度★★★
小劇場コメディ風松竹新喜劇?
多彩な顔ぶれなので、たまには商業演劇もよいかと思い、気鬱気味でもあり気分転換を兼ねて観に行った。
中村獅童の喜劇的素質を確かめる意図もあったので。
獅童の父の小川三喜雄さんは、東映のプロデューサー時代、中村錦之助、賀津雄兄弟のために沢島忠監督と組んで「殿様弥次喜多」というコメディシリーズをヒットさせた実績がある。
藤山直美といえば、この季節は、かつて中村勘三郎とともに「浅草パラダイス」などのコメディを演舞場で上演してきた。
今回のこの芝居の私の印象は小劇場コメディ風松竹新喜劇だった。
松竹新喜劇は笑いの中にも一本筋が通った作品が多かったが、本作はそのレベルまで達していない。
系統的には「雲の上団五郎一座」に近い。
初日ではないが、道具転換で舞台装置が不具合が起き、幕が下りて芝居が中断したのは残念。
抱腹絶倒というほど笑えなかったし、パッチワークというか有名な役者さんたちのかくし芸大会といった趣だ。
軽い話の中で水谷八重子と市村萬次郎がさすがの貫禄をみせ、それだけは一見の価値があった。