Can you believe ファンタスケッチ? 公演情報 演劇集団 Z-Lion「Can you believe ファンタスケッチ?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    感動的
    ファンタスケッチの奇跡は感動的でした。
    ただ、個人的には「感動的」で終わってしまったのが残念でした。
    (そこはネタバレで)
    お話は良い話で、役者の皆さんには好感が持てました。

    演出ですが、怒鳴ったり叫んだりしている場面が多かったのは、少々聞き苦しかったです。個人の感想です。

    ネタバレBOX

    廃校間近の小さな大学、美術学科の教室で夜スケッチをすると、震災で死んだ人が生きかえる、というのが『ファンタスケッチ』の奇跡でした。
    生きかえるといっても、完全に生きかえるのではなく、夜だけ、大学の中だけ。
    「朝になったらふぁっと消えて、夜になったらまた大学のどこか、だれもいないところに現れる」そうで、幽霊ではなくて「おファンタさん」と呼ばれています。

    この設定は、ファンタジックで素敵だと思いましたが、私がどうにも気になったのは、この奇跡を前にしての人物のセリフや行動。
    ちょっとしたところかもしれませんが、個人的に「無理」
    それで、感動できずに終わってしまいました。

    例えば、スケッチでおファンタさんを呼び出した美術部員が、事態を飲み込めない一度死んだ人間に、「神様ありがとうとか、言いなさいよ」とか「ちっ、なんだよ。せっかく生きかえらせてやったのによ」とかいうセリフ、嫌悪感しか覚えません。
    その「神様」は(好意的に解釈すると)自分たちのことを指しているのではないのかもしれませんが、「生きかえらせてやった」という言葉は明らかに傲慢です。
    幸いにも死なずにすんだ人間が、死んだ人間に言うセリフじゃないなあ、と、私は思いました。

    また、よみがえったひとたちの行動も、腑に落ちませんでした。
    一度死んだ人間が、もういちどこの世界と接するチャンスを得た時に、「またいつ消えるかわからないから」楽しくやろうとジャンケンで一升瓶を回し飲みする。ちょっと違うんでないか?

    「せっかく生きかえったんだから、何か言っておきたいことないの」と、死んでいない美術部員のほうから促されていましたが、本当に一度死んだ人間なら、そしてまたいつ消えるかもしれないのなら尚更、促されずとも語りたい言葉は山のようにあるのではないか。

    そんな風にこまごまと「なんか違う」と感じたまま観てしまい、ラストでも感動しきれませんでした。
    「夜中」に「あんな小さな赤ちゃん」連れてきちゃダメだよと(笑)

    ファンタスケッチ現象を納得させる場面が、何度も繰り返されましたが、それも叫び声とともに、クドく感じました。

    教授が心臓病で余命短いという話も、盛り込みすぎかな。

    ファンタスケッチの奇跡を中心に、シンプルに、教授と娘、生きかえった人々の想い、に焦点を当ててくれれば、より心に染みたと思います。

    最後の舞台挨拶、「命削って演じます」という言葉が印象的でした。
    ありがとうございました。

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    2014/02/06 10:01

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