満足度★★★★
物語の本質とは・・・
こういうものだろう、と思わせてくれる作品。「ありそでなさそ、なさそでありそ」とでもいおうか、ドラマとリアルの狭間を進んでいくような印象だが、最終的にはそこをポーンと飛び越えて独自の劇世界を見せてくれた。
第1話は現実にはなかなかない設定ではあるが、二人の特徴を際立たせることによってリアル感が増した。
第2話はとにかく切ない。最後にキュウリを齧るシーンを持ってきたところが憎い。しょっぱいキュウリの味がこちらにも伝わってくるようだ。
第3話はオムニバスにするための少し無理な設定だったかなという気がする。
私は第4話が圧倒的に好みだった。娼婦・桃子の佇まいは神々しいまでの美しさを感じさせた。哀しみに満ちた彼女の瞳が忘れられない。
全体を通して、役者一人一人が役に誠実に向き合って、台詞を丁寧に発していた事に好感を持った。