ジルゼの事情 公演情報 OFFICE SHIKA「ジルゼの事情」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    Coccoの唄と踊り
    古典バレエの原案を基にCoccoと鹿殺し面々が織りなす美しい悲恋の話。
    一部分は鹿殺しテイストあるけど、ほぼ女優Coccoの為の舞台。
    彼女の唄は数える位しか聞いた事ないが、通常、大ステージ上で歌うアーティストが、ライブハウス位の距離感で姿を見られた事は幸運だった。バレエステップや裸足で歌いあげる姿に魅了された。
    廣川さんがM輪さんチック、内田滋さんの二枚目な役も久々に見た気がするw
    今まで鹿殺しはチョビさんの作しか見ていない。チョビさんの幼少時から成長期の記憶を呼び覚ますような舞台もいいが、今作の丸尾さんの、成熟された感情を映し出した手法はとても綺麗で素晴らしいと思う。
    約105分。

    ネタバレBOX

    バレエ作の「ジルゼ」を見た事がないので、どこまでが参考にされているのかわからないが、とても精錬された舞台だった。
    以下、概略。

    渋谷の宮益坂にある寂れた純喫茶店マーガレットが舞台。
    メニューはコンビニで調達した出来合い品をレンジでチンするか、パックのジュースをコップに移し替えてお客に出している。
    そのお客も幼なじみの常連客、番太郎しか来ないお店を母 響子と汁是(ジルゼ)優子の2人で切り盛りしている。
    街の噂で夜になると男が行方不明になる事件が多発しているらしいとか、ガジャマルの鉢植えは誰にもらったのー♡?とか、東京オリンピック決まってどうなるんだろーねーと、ひと事のような世間話で日々過ごしていた。
    父と妹、加奈子は交通事故で既に他界しているが、優子が原因のよう。
    優子に恋する番太郎、優子と両思いになる役者志望の客 虻レ、優子の店に連日土地開発進める男 氷室、GPSを頼りに婚約者を探しに来た令嬢ぽいが案外いい女と思わせる かよ子、それぞれの思惑がわかった後、役者志望の男の正体が立ち退きを勧めていた会社の社長とわかり、優子は母と幼なじみとで殺害計画を企てるもやり方が結構雑なので案の定失敗。彼と婚約者の抱き合う姿ですべてわかってしまい、母の戒めや恋愛の裏切りを目の当たりにした結果、自ら冷蔵庫に閉じこもり死を選んでしまう。

    一転、深夜に変わるとまるで美輪さんもどきの父 ローズマリーが経営するバーに様変わり。そこは男に裏切られ死んでいった女達が従業員のお店。店に迷い込んだ男性客の血を吸って癒していた。その中にはいつの間にか優子も馴染んでおり、同様に生き血を飲み快楽を味わう女に。
    そんな彼女を忘れられず、店の噂を聞きつけ番太郎がやってくるが格闘空しく女達に殺されてしまう。早朝、彼の亡骸だけ残った純喫茶マーガレット。
    一度は優子を忘れようとしたものの、気持ちの整理のつかない虻レ。
    娘もいなくなった現世では母が店を手放す決心をするも、虻レはそれを拒否し優子を探そうとしていた。そのやり取りを図らずも父が聞いており、なんとか店を維持させたい父は優子に虻レを誘い出すように画策。

    父の店の存続と虻レへの捨てきれない思いで揺れ動く中、なんとか店まで誘導させるも彼に彼女の姿は見えない。それが父の背広を通して虻レと再会することになり、クラシックなバレエダンスで喜びと恋心を共有しあう2人。
    ここのダンスがすっごく上品で切なくて美しかった!

    男を襲撃してくる亡霊達、それを拒む優子、激怒する父、姉妹の不和、優子を守ろうとする虻レ。ガジャマルの鉢植えを抱え倒れた虻レの姿に激しく語りかけるように声を振り絞り歌い続ける優子。
    やがて朝を迎え、母や婚約者はその状況に唖然としてしまう。父と妹はそれぞれの場所で成り行きを静観。意識を取り戻した虻レと放心状態の優子。抱きしめようとする虻レに優子は彼の首に食らいついてしまう。
    しかし、ガジュマルに守られたお陰か彼は生きていた。彼女の恋心を悟った父は優子を赦し、仲違いも消えた加奈子と一緒にバレエを華麗に舞う姿を見ながら終る。

    回想や場面転換時、影絵のように見せたり、ショーパブのシーンではいかにも鹿殺しらしいショー!で楽しめた。
    Coccoのバレエシーンは優雅で綺麗でだった。


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    2014/01/24 12:04

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