TRIBES トライブス 公演情報 世田谷パブリックシアター「TRIBES トライブス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    黒狼と白狼の群れ
    群れの対立、群れの中の力関係を見た思いでした。

    ネタバレBOX

    15分の休憩を入れて2時間20分、休憩は要らないのではと思っていましたが、前半と後半でガラリと変わり、なるほど意味がありました。

    前半は、黒い服の家族という群れの中で一人浮いている白い服のビリーがいて、家族たちはビリーが連れてきた白い服のシルビアに対して、種族の違いによる言語の違いについて質問するが如く手話について問い質します。

    自分たちの言語が高等だと考えている点が面白く、全てのことが手話で表現できると聞かされると何か残念がり、手話では、もしとか、かもしれないが表現できないと知るや、鬼の首でも取ったように喜ぶところが興味深かったのですが、そういうことを初めて知った私も彼らと同類でした。

    後半では、シルビアの服が灰色になっていて、ビリーの兄とシルビアが接近したこと、あるいはシルビアが聴覚障害者のコミュニティから離れようとしていることを表現していました。

    聴覚障害者のコミュニティには序列があって、先天性と後天性、手話ができるかできないかで序列が決まるそうです。家族という群れを離れ、聴覚障害者の群れに入ったばかりの新参者で比較的序列の高いビリーには新鮮に映るのでしょうが、どっぷり浸かって、かつ序列の低いシルビアにとっては健常者の世界を知ったことで逆にコミュニティを離れたくなったようです。

    弟が聴覚障害者の世界に行ったことで優位な立場を失った兄の落胆振りは凄まじく、まさに狼の群れの力関係を見たようでした。

    その後、それまで日の目を見なかった若造が得意の読唇術で評価され、調子に乗り過ぎて過ちを犯し挫折するおまけまで付いていました。

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    2014/01/15 16:15

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