渇いた太陽 ~Sweet Bird of Youth~ 公演情報 日本テレビ「渇いた太陽 ~Sweet Bird of Youth~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    滑稽に笑うか、哀切に同情するか?
    テネシー・ウイリアムズの作品だから、やはり、登場人物は、誰もハッピーではないわけで、人間の無残な宿命が色濃い内容でしたが、結構、笑いを誘発される場面も数多く、こういう人間の滑稽さを笑って観れば、良いのか、はたまた、宿命の悲哀を、嘆息しつつ、観るべきか、受け止め方に迷ってしまいました。

    演出意図が、あまりはっきりとしない作りだったような気がします。

    原作も、映画も見たことがないので、何とも言えないのですが、チャンスって、だいたい何歳ぐらいなんでしょう?

    若さを失ったという台詞から、30代ぐらいかしら?
    でも、どうも20代らしい雰囲気もあるので、もう少し、若い俳優さんをキャスティングされた方が、良かったのではないでしょうか?

    ヘブンリーの家の事情がわかる場面での、渡辺さんと内田さんの台詞のやりとりが、やや長く退屈で、眠くなってしまいましたが、俊藤さんや、川久保さんの凄味には、かなりハラハラさせられました。

    ネタバレBOX

    かなり、当時のアメリカの社会事情なども、投影された原作のようですが、この芝居では、そういう部分は、あまり重要視せず、アレクサンドラとチャンスという、二人の人間の精神的崩壊に、主眼が置かれた演出だったように思いました。

    ただ、役の理解を、役者さんに任せてしまったのか、役の深い部分の表現形態に、浅丘さんも、上川さんも、戸惑っていらっしゃるような印象を受けました。そのせいで、ベテランのお二人でさえも、まだ演じているという域を出ない演技をされていたように感じてしまいました。

    たぶん、二役を演じたと思う、貴城さんは、キュートでしたが、他の役者さんとの演技の質感が異なり、彼女の出番だけが、ややコントじみて観えました。

    この物語を、リアルに描いた映画なら、きっと見応えありそうで、是非、ポール・ニューマン主演の映画を観てみたい衝動に駆られます。

    浅丘さんのアレクサンドラは、性に依存している女性には到底見えず、上川さんのチャンスも、出世と野望に燃える、自堕落な青年には見えず、お二人とも、この役の任ではない気がしました。性に溺れるシーンが、全然それらしくなくて、ちょっと、しらけてしまいましたし。

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    2013/12/29 02:47

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